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サン=サーンス ピアノ協奏曲 第4番 ハ短調 作品44/Saint=Saens Concerto pour piano et orchestre No.4 c-moll Op.44

サン=サーンスのピアノ協奏曲第4番は1875年に作曲され、同年10月31日にパリでサン=サーンス自身のピアノ、エドゥアール・コロンヌの指揮でコンセール・シャトレ芸術協会の最初の演奏会において初演されました。

この時期は「サムソンとダリラ」「死の舞踏」などサン=サーンスが数々の傑作を生みだした時期でもあり、特にピアノ協奏曲第4番はサン=サーンスのピアノ作品において最も完成された曲の一つとして高く評価されております。

ピアノと管弦楽の対等な扱いの中で交響的な構築が目指されており、またフランクとその弟子たちが推進した作曲技法の中の循環形式を用いているのが特徴です。

サン=サーンスはこのピアノ協奏曲においてリストのいう「主題変容」の方法を用い、主題を循環させて全曲の音楽的統一を高めました。 

楽譜は1877年に出版され、フォーレによって2台ピアノ版が編曲されております。

大きくは2つの楽章から成りそれぞれがさらに2つの部分に分けられています。

第1楽章(第1部分)

最初に弦楽によって循環主題Aが示されその主題が2つの変奏を見せます。

第1楽章(第2部分)

幻想的な導入部分に続き木管で循環主題Bが示されます。 そして次にピアノとクラリネットで交互に演奏される循環主題Cが示されこれら3つの主題が中心となって曲に統一感を与えていきます。

第2楽章(第1部分)

おどけたように下降するピアノに管弦楽が応答する第1主題と、循環主題Aがリズミカルに変容された第2主題が出てまいります。

第2楽章(第2部分)

循環主題Cのフーガ的な展開のあと循環主題Bが現れピアノの華やかなカデンツァとなります。 続くアレグロとなっても循環主題が活躍し、第1主題は循環主題Bを変形させたもの、第2主題は循環主題は用いられてはいませんが曲に活気を与えるリズムです。

ピアノのヴィルティオーソ的な見せ場がたくさん散りばめられておりサン=サーンスの作曲家・ピア二ストとしての力量が感じられる曲です。

サン=サーンス ピアノ協奏曲第4番♫~コルトー

サン=サーンス ピアノ協奏曲第4番♫~パスカル・ロジェ

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