ピアニスト谷真子Official Blog「message」

ピアニスト谷真子公式サイトよりブログ「message」

2017-01-01から1ヶ月間の記事一覧

ラヴェルのレッスン(海原の小舟)

4月29日の奈良の秋篠音楽堂でのコンサートで演奏予定のラヴェルの鏡の第3曲「海原の小舟」は、水をテーマにした曲です。 20世紀初頭は絵画の分野のフランス印象派の影響を受け、音楽分野においても自然をモチーフにした曲が多く書かれるようになりまし…

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18/Rakhmaninov Concerto for piano and orchestra No.2 c-moll Op.18

ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番はロシアの作曲家のラフマニノフ(1873~1943)が作曲した2番目のピアノ協奏曲ですが、作曲は1900年秋から1901年4月にかけて書かれました。 ラフマニノフは4曲ピアノ協奏曲を作曲していますが、その中で…

シューマン 森の情景 作品82/Schumann Waldszenen Op.82

シューマンの「森の情景」はシューマンが作曲した全9曲からなるピアノ独奏曲ですが、1848~1849年にかけて作曲され1850年に出版されました。 ドイツロマン主義者の詩人にとって「森」とは静寂、活気、神秘、情景といった趣を持つものでしたが、シューマンの…

プロコフィエフ ピアノ・ソナタ第7番「戦争ソナタ」 変ロ長調 作品83/Prokofiev Sonata for piano No.7 B-Dur Op.83

プロコフィエフ(1891~1953)は生涯で9曲のピアノ・ソナタを残しておりますが、このピアノ・ソナタは、それまで米国、パリで暮らしていたプロコフィエフがソビエトに戻り、彼の創作活動の円熟期ともいえる時期に作曲された作品です。 第6番から第8番まで…

松川暉さんのヴァイオリンコンサートへ行ってきました。

昨年の11月秋篠音楽堂でモーツァルトのピアノ四重奏曲をご一緒致しましたヴァイオリニストの松川暉さんのコンサートへ行ってきました。 京都の丸太町にあるカフェ・モンタージュという小劇場ですが、アンティークなスタインウエイのピアノが設置されており、…

プロコフィエフ トッカータ ニ短調 作品11/Prokofiev Toccata d-moll Op.11

プロコフィエフのトッカータニ短調はプロコフィエフがシューマンのトッカータにインスパイアされ1912年に作曲したピアノ曲です。 初演は1916年11月27日ペトログラード音楽院でプロコフィエフ自身によって行われ好評を博しました。 プロコフィエフ(1891~195…

シューベルト ピアノ・ソナタ 第19番 ハ短調/Schubert Sonate fur Klavier Nr.19 c-moll D.958

1828年9月、体調を崩し兄の元へ身を寄せたシューベルトは死のわずか二か月前に最後の3つのピアノ・ソナタを一気に書き上げます。 第19番はその1作目で10年後の1838年にディアベリ社から「シューベルトの最後の作品3つの大ソナタ」として第20番、第…

知人の演奏会を二つご案内させて頂きます。

知人の演奏会を二つご案内させて頂きます。 <1件目> 先日、秋篠音楽堂でモーツァルトピアノ四重奏曲第1番をご一緒に演奏しましたヴァイオリニストの松川暉さんがコンサートを開かれます。 1時間のミニ・コンサートですが是非お出かけ下さい。 2017年1月…

チョ・ソンジン ピアノ・リサイタルへ行ってきました。

2015年ショパン国際ピアノコンクールで優勝した韓国のピアニストのチョ・ソンジンのコンサートへ行ってきました。 プログラムはベルクのピアノ・ソナタロ短調、シューベルトのピアノ・ソナタ第19番、ショパンの24の前奏曲でした。 ♫シューベルト ピアノ・ソ…

修士論文を提出いたしました。

シューマンの幻想曲の第1楽章の演奏解釈を中心とする修士論文の「シューマンの幻想曲Op.17についての研究」が完成しましたので大学院まで提出に行ってきました。 今週のゼミで教授のゼミは最終ゼミとなりましたが、副査の別の教授にも偶然お会いし最終稿を…

バルトーク ピアノ協奏曲第3番 ホ長調 .Sz.119/Bartok Klavierkonzert Nr.3 E-Dur Sz.119

バルトークのピアノ協奏曲第3番はバルトーク最晩年の1945年7月から8月にかけて亡命先のアメリカで作曲された最後の創作作品です。 バルトークは最後の17小節を略記のまま残しておりましたので、弟子のティポール・シェルリが終止線を書き加えました。 バルト…

ベートーヴェン ロンド・ア・カプリッチョ(失くした小銭への怒り) ト長調 作品129/Beethoven Rondo a capriccio "Rage over a Lost Penny" G-Dur Op.129

作品番号だけを見るとベートーヴェン後期の作品のように見えますが、実際は1795~1798年に書かれた初期の作品で自筆譜には未完の箇所が多くあります。 ベートーヴェンの死後出版された初版に出版社のディアベッリが補筆したとされております。 有名な「失わ…

第70回全日本学生音楽コンクール全国大会ピアノ部門ラジオ放送を聴いて

今朝第70回全日本学生音楽コンクール全国大会ピアノ部門ラジオ放送を聴きましたのでその雑感を書いてみたいと思います。 審査員には私が師事する阿部裕之先生も入っていらっしゃいました。 さて小学校部門の第1位の小原慎太郎さんですがベルコヴィッチのパガ…

第70回全日本学生音楽コンクールピアノ部門全国大会ラジオ放送のお知らせ

昨年12月横浜みなとみらいホールで開催されました第70回全日本学生音楽コンクールの全国大会の模様が明日7日(土)、午前7:20から午前11:20までNHK-FMで放送されます。 【小学校の部】(敬称略) 1位=小原慎太郎(北海道江別市立大麻東小6年) 【中学校の…

バッハ=ブゾ―ニ トッカータとフーガ ニ短調/Bach=Busoni Toccata und Fuge d-moll BWV565

バッハ=ブゾーニ トッカータとフーガBWV565はバッハが作曲したオルガン曲のトッカータとフーガBWV565をブゾーニがピアノ用に編曲したものです。 バッハのオルガン曲の中でも特に人気の高い作品で冒頭部分は劇のさまざまな場面でも良く使われます。 他のバッ…

シューマン パピヨン 作品2/Schumann Papillons Op.2

シューマンの「パピヨン」はシューマンが1829年から1831年のピアニストとしての活動を始めた直後のピアノ作品です。 タイトルとなっている”パピヨン”はドイツの詩人ジャン・パウルの文学の中で良く現れるロマン的な詩的理念の象徴ですが、シューマンはこのジ…

ウィーン・フィル ニューイヤーコンサート2017

昨日2017年ウィーン・フィル ニューイヤーコンサートが衛星放送でテレビ放映されましたが、今年の指揮者はグスターボ・ドゥダメルでした。 ドゥダメルはまだ35歳の若手指揮者でニューイヤーコンサートに登壇した指揮者の中で最年少の指揮者だそうです。 南米…

本年もよろしくお願い申し上げます。

本年もよろしくお願い申し上げます。 昨夜はNHKEテレでピアニストの中村紘子さんを偲ぶ番組が放送されておりました。 チャイコフスキーのピアノ協奏曲が流れており、とても素敵でした。 レッスンをされている模様も流れており、初めて見ましたが、とても細か…