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第46,47,48回全日本学生音楽コンクール大阪大会の思い出(中1)

通称「毎コン」と呼ばれる全日本学生音楽コンクール大阪大会の思い出について今日は書きます。

このコンクールは日本で一番歴史の古いコンクールですがそのレヴェルの高さと厳しさでは定評があります。
     http://www.mainichi-classic.jp/

毎年、春になると毎日新聞社からその要項が発表されますがピアノ部門は小学校部門、中学校部門、高校部門と分かれています。

課題曲が大変難しく要求される音楽的レヴェルも高いものがありますのでエントリーするだけでも難しく参加者はそんなに多くありませんが、予選からハイ・レヴェルでの競争になります。

予選通過者は毎年10名弱ですがその人達には入選証という賞状が渡され翌日の毎日新聞の朝刊に氏名と学校名が発表されます。

その入選者達で次本選が開催されますが、本選はもっと厳しい戦いになります。基本的にはミスは許されないと思わないといけないのではないかと思います。

予選が9月本選が10月ですので皆、夏休みは朝から晩まで練習に明け暮れます。

私も小学校部門(小5、小6で)と中学校部門(中1で)にエントリーし小学校部門は6年の時入選、中学校部門は中1の時入選の後本選に進み本選で奨励賞を頂き大阪大会入賞者演奏会に出演しました。

師事していた片岡先生には直前のレッスンでは「あなた、1位になれるわよ。」とおっしゃって頂いていたのですが、本番では冒頭の部分で1ケ所ミスをしてしまいました。練習に練習を重ねたつもりでしたが、今思えばやはりまだ中1だったのであの極限まで緊張する毎コンの本番でパーフェクトに弾くには体格的に少し無理があったのかなと思います。大阪大会は3位と一点差の人にしか奨励賞は出ないからと審査に入ってらした片岡先生から後日お聞きしましたが、中1と中3では体格が全然違う中学校部門でまだ中1だったのと冒頭でミスが1ケ所あったのとで第48回学音は自分では納得のいく結果かなと思っています。

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全日本学生音楽コンクール大阪大会歴代入賞者一覧より



その後私は中3から東京に毎週レッスンに通うようになり、大学を卒業して関西に戻るまでは関西は疎遠にしておりましたが、またこうして奈良市の学園前を拠点に音楽活動をするようになり今は多くの関西在住の音楽家の方にお世話になっております。


さて恩師の相愛大学名誉教授の故片岡みどり先生は学音の審査員でもおられその厳しいレッスンでは定評のある方でしたが、レッスンの帰途は私はいつもi電車の中で涙を流しながら片岡先生のご注意を楽譜に書き込んでいました。その楽譜の一部は新ホームページのMy Historyの項に掲載します。 

しかし今の私のピアノの基本はすべて故片岡みどり先生のご指導によるものと思います。月日が経ち今私がレッスンをする立場になって故片岡みどり先生のご指導力のすごさがよく分かりあらためて感謝しております。

コンクールには賛否いろんな考え方がありますが、成長期に何かの目標に向かって努力する事は生きる力をつけてくれますので無駄な事ではないと思います。

第48回全日本学生音楽コンクール大阪大会入選曲

↓Italienisches Konzert BWV 971 2.Satz 3.Satz     

https://www.youtube.com/watch?v=bU2l707In5k

第48回全日本学生音楽コンクール大阪大会入賞曲(途中より)

↓F.Chopin Scherzo No.1 h-moll Op.20

https://www.youtube.com/watch?v=f5U1VgR5up4