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立原道造と音楽

立原道造パステル画(中学生)

(立原道造パステル画~中学生)

立原道造(1914~1939)という建築家・詩人をご存じでしょうか? 私はその名前を母から聞き、初めてそういう人がいたという事を知ったのですが記念館に行って驚きました。 大正・昭和の初期の日本にこういう人がいたのだと思いました。 クラシック音楽を大変愛好された建築家・詩人の方のようで、日本で初めてベートーヴェンの協奏曲第3番が演奏された時も生でその演奏を聴きに行ったと年譜に書いてありました。

自分の背広も自分でデザインをし、また詩集の装丁も全部ご自分でされ、大変感性の豊かな天才でいらしたようです。 その詩には作曲家の三善晃さんも曲を付けておられ合唱コンクール等では今も良く歌われているようです。

24歳という年齢で結核で夭折されたようですが、その詩集は全ての無駄を削ぎ落とされたシンプルなものです。 もしかしたら全てを知られた方の究極の表現方法だったのかなとも思います。 現代に生きる私達は簡単に外国の楽譜も手に入りますし、洋書も簡単に取り寄せ自由に読む事ができますし、インターネットで世界中の情報をリアルタイムで知る事ができます。

立原道造詩集「さふらん」

 

先人の努力に感謝しつつ、21世紀を生きなくてはいけないなと思います。

立原道造

(2011年大勢の人に惜しまれながらも母校の東大弥生門前の記念館は閉館となったそうです。)