ピアニスト谷真子Official Blog「message」

ピアニスト谷真子公式サイトよりブログ「message」

シューベルトとドイツリート

MESSAGE

モーツァルトのクラビコードとピアノフォルテ

今日はシューベルト(1797~1828)とドイツリートについて書こうと思います。

シューベルトモデルベーゼンドルファー

シューベルト生誕200年記念シューベルトモデルのベーゼンドルファー~元日本ベーゼンドルファー大阪ショールームお披露目会にて)

オペラの伴奏をする時はオーケストラの代わりにピアノを代用しているわけですが、ドイツリートの伴奏は伴奏というより歌とピアノといった方がいいのではないかと思います。 最近はプログラムにもあまり伴奏という言葉は使われなくなってきているのではないでしょうか。 ドイツリートは歌が登場人物だとするとピアノはその背景や情景描写の役目を担っています。 シューベルトの歌曲などはピアノの情景描写が上手くないと歌手の人は大変歌いにくいという話を聞きます。 オペラでもそうですが、ドイツリートにおけるピアノの役割はかなり重要なのではないかと思います。

さてドイツリートと聞いてまず私が思い浮かべるのはシューベルトシューマンですが、中でもシューベルトは私の好きなウイーン出身(正確にはウイーン郊外)という事もあり歌曲のCDはソプラノ、バリトンと何枚も持っております。 シューベルトは後にウイーン少年合唱団となる宮廷礼拝堂附属の合唱団出身ですが、「歌曲の王」と呼ばれるくらいメロディの美しい詩心にあふれた曲を多く作曲した天才作曲家です。 

(門下の方でシューベルトの歌曲をお好きな方はCDお貸ししますので受付まで申し出て下さい。)

シューベルトについての詳細は下記のアドレスのフランツ・シューベルトソサエティ(FSS)のホームページをクリックなさって見て下さい。 シューベルトを愛好される立派な方々が作られている伝統のある会ですが、シューベルトのお好きな方ならどなたでも入会できます。  またいろいろな良質のシューベルトの演奏会の紹介などの企画もなさっています。

フランツ・シューベルト・ソサエティ(事務局 東京都文京区小石川)♪

フランツ・シューベルト・ソサエティ

P1010188.jpg

P1010189.jpg

ドイツ文化センター

ドイツ文化センターで

さて学生時代を含めドイツリートの伴奏は数多くしてまいりましたが、私の好きな歌曲とそのCDについて何曲か書いてみようと思います。 言葉で語るよりも音楽を聴いて頂くのが一番分かりやすいと思いますので何曲かリンク致します。

シューベルト「音楽に寄せて」、「水の上で歌う」、「野ばら」~エリー・アーメリング、ルドルフ・ヤンセン/ダルトンボールドウィン(ピアノ)>↓

P1010193.jpg

シューベルト「音楽に寄せてD.547(作品88の4)」♫~エリー・アーメリング

シューベルトの音楽への感謝の気持ちが力強いピアノにのって堂々と歌われます。)

瀧崎安之助訳ドイツリート詞華選表紙

音楽に寄せて 詩

(音楽に寄せての詩)

シューベルト「水の上で歌うD.774(作品72)」♫~バーバラ・ボニー、ジェフリー・パーソンズ(ピアノ)

(ピアノで水を表現します。)

→♫シューベルト/リスト「水の上で歌う」~エフゲニー・キーシン

野ばらD.257(作品3の3♫~ぺーター・シュライアー、ルドルフ・ブッフビンダー(ピアノ) 

ゲーテの詩によるものですが愛らしい作品です。)

シューベルト「ゲーテの詩による歌曲集」ベーレンライター版

(シューべルト 「ゲーテの詩による歌曲集」楽譜)

シューベルト「魔王」フィッシャー=ディースカウアルフレッド・ブレンデル(ピアノ)

P1010194.jpg

シューベルト「魔王D.328」♫~ディートリッヒ・フィッシャー=ディスカウ

→♫シューベルト/リスト「魔王」~エフゲニー・キーシン

シューマン「リーダークライス作品39」~フィッシャー=ディースカウアルフレッド・ブレンデル(ピアノ)

P1010195.jpg

シューマン「リーダークライス作品39」より第5曲「月の夜」♫~エリー・アーメリング、イエルク・デームス(ピアノ)

シューベルティアーデ

シューベルト

(Bーtech Japan Osaka studioにて)

シューベルトは貴族社会の作曲家から市民社会の作曲家と時代が変遷していく中の人でロマン派の人と言っても良いのではないかと思いますが、音楽はウイーン古典派に近いものを持っているのではないかと思います。 後の多くの作曲家に多大な影響を与えましたが、日本でも私の祖母の年代の方(昭和4年生まれ)ではシューベルトの野ばらや菩提樹をみんなで良く口ずさんでいたという方は多いのではないかと思います。

ネット社会の現代の中で心癒される作曲家の一人ではないかと思います。

P1010182.jpg

明日はストラヴィンスキーの「兵士の物語」について書きます。