ピアニスト谷真子Official Blog「message」

ピアニスト谷真子公式サイトよりブログ「message」

ラヴェル「パレード」、「古風なメヌエット」

MESSAGE

モーツァルトのクラビコードとピアノフォルテ

*****

ラヴェル(1875~1937)「パレード」は2012年5月31日の大阪倶楽部での演奏会で阿部裕之先生が演奏された曲ですが、東京本郷にある輸入楽譜専門店♪アカデミア・ミュージック♪の公式サイトによると、この曲はフランス国立図書館の所有する手稿譜に基づき近年出版されたラヴェルの青年期(1898年)の作品で、オペラ座のプリマ・バレリーナのアントワーヌ・ムニエのために作曲されたものだそうです。

ラヴェル:ピアノ音楽全集第1集」~フランソワ=ジョエル・ティオリエ(ピアノ)のCDジャケットより解説を抜粋して掲載いたします。

P1010824.jpg

The piano piece La parade is a work of hitorical interest, rather than of any particular significance among Ravel's music for piano. It was written about the year 1898 for Antonine Meuniere of the Paris Opera, designed for interpretive dancing at home. Ravel was accustomed to improvise at the piano for the dancing of Isadora Duncan, and La parade may be considered a surviving example of this activity. It consists of a number of dances, including two marches, two waltzes and a mazurka.

**意訳**

ピアノ小品「パレード」はラヴェルピアノ曲の中で、音楽的な意味を持つ作品というよりもむしろその時代の産物といえます。家庭での自由な振り付けのダンスをイメージして作られており、1898年パリオペラ座のAntnine Meuniereのために作曲されました。ラヴェルは♫イサドラ・ダンカン(1878~1927)♫の踊りに良く即興伴奏をしておりましたが、「パレード」はその中で残っている貴重な作品と言えます。 2つの行進曲を含む2つのワルツ、1つのマズルカという幾つかの舞曲から成り立っています。

Francois-Joel Thiollierによる「La Parade」のミラノでの初演奏

ラヴェル 「パレード」 楽譜♪~アカデミア・ミュージック

*****

ラヴェルの「古風なメヌエット」は2013年6月7日、同じく阿部裕之先生が大阪倶楽部で演奏された曲ですが、この曲は♪「ぴあのピアVol.9」♪の中のDVDに阿部裕之先生の演奏が収録されております。

(ぴあのピアNHK-BSで放送されたクラシック音楽番組)

さて「古風なメヌエット」はラヴェルが初めて出版したピアノ曲です(1895年)。 ラヴェルがまだ20歳の時で、献呈された友人のピアニスト/リカルド・ビニェスによって初演された優雅な曲です。 

「古風な」というネーミングは、バロックの舞曲「メヌエット」を中世の教会旋法を用いて作曲している事から名付けられたもので、一種のirony(穏やかな皮肉)だと考えられます。

この曲はラヴェル自身によってオーケストラのために編曲され、1930年にラヴェルの指揮でパリで初演されました。 この管弦楽曲ラヴェルの最後の管弦楽曲でもあります。(後は2つのピアノ協奏曲とオーケストラ伴奏の歌曲のみ)

**♫メヌエット♫というのは3拍子のゆったりとしたヨーロッパの宮廷舞踊です。**

V.ペルルミュテールのピアノ版演奏とニューヨークフィル・ハーモニーのオーケストラ版演奏にリンク致します。

ラヴェル「古風なソナチネ」~「V.ぺルルミュテール」「ニューヨークフィル・ハーモニー(ブーレーズ指揮)」♫

*****

<参考ブログ>

ラヴェル「鏡」

ラヴェルとフランス絵画・工芸展

<「レッスンの友」1998年11月号~阿部裕之先生ラヴェル記事>

(クリックされると拡大されますが、お手に取ってお読みになりたい方は、今レッスンの友社はありませんので、図書館にあるのではないかと思います。)

P1010808.jpg

P1010800.jpg

  

.