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バルトーク 「ルーマニア民俗舞曲」

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モーツァルトのクラビコードとピアノフォルテ

バルトーク(1881~1945)はオーストリア=ハンガリー帝国のナジセントミクローシュ(現在のルーマニア)に生まれニューヨークで亡くなった近代クラシック音楽の作曲家です。 またブタペスト王立音楽院(現在のリスト音楽院)でリストの弟子のイシュトヴァ―ンから教えを受けたドイツ=オーストリア音楽を継承するピアニスト・ピアノ教育者でもあり、一方民俗音楽の研究家としても知られております。

1906年からコダーイとともに農民音楽の収集を始めますが、1907年から1934年までブタペスト音楽院の教授にも就任しリリー・クラウスゲザ・アンダを直接教育しております。 1940年にはコロンビア大学客員教授として膨大な研究資料を持って渡米し、アメリカで亡くなっております。 

私が初めてバルトークの音楽に触れたのは小学校1年生の時でした。  「子供のために」の中のカノンという曲でしたが、その土臭い独特の響きが楽しくまた楽譜には表記されていない民俗音楽の呼吸を自由に表現できるのが私には面白く好きな作曲家の1人でした。

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子供のために

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カノン

さて「ルーマニア民俗舞曲Sz.56」ですが、1915年作曲された小組曲です。 当時はハンガリー王国の一部だったルーマニアトランシルヴァニア地方の民俗音楽を素材にしたものです。 やはり楽譜は簡単ですが民俗音楽のリズムや呼吸や雰囲気を求められますので音楽的レベルはかなり高いものが要求される曲です。

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1917年にはバルトーク自身が管弦楽版Sz.68に編曲しており、その後も他の音楽家によってヴァイオリンとピアノによる編曲版や弦楽合奏版、チェロ版など編曲されており親しみやすいメロディや手ごろな長さからコンサートでは良く取り上げられる作品です。

第1曲は「ジョク・ク・バータ(杖踊り)」、第2曲は「ブラウル(飾り帯をつけた踊り)」、第3曲は「ペ・ロック(足踏み踊り)」、第4曲はプチュメアーナ(プチュムの踊り)」、第5曲は「ポアルカ・ロマネアスカ(ルーマニアポルカ)」、第6曲は「マヌンツェル(急速な踊り)」

となっておりおだやかな第1曲からエネルギッシュな終曲へと盛り上がってまいります。 作曲当初からかなり人気が高い曲だったようです。

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ゾルタン・コチシュ(ピアノ)

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アンドール・フォルデス(ピアノ)

バルトーク 「ルーマニア民俗舞曲」♫~リリー・クラウス(ピアノ)

バルトーク 「ルーマニア民俗舞曲」♫~バルトーク・ベーラ

バルトーク 「ルーマニア民俗舞曲」♫~管弦楽

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棒踊り

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帯踊り

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足踏み踊り

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アルペンホーンの踊り

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ルーマニアの"ポルカ"

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速くて細かいステップの踊り

明日はカンデインスキーの芸術論から「共通感覚論」について導入の初歩的な事を簡単に書いて見ようと思います。