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シューマン ウイーンの謝肉祭の道化 Op.26/Schumann Faschingsschwank Aus Wien Op.26

「ウイーンの謝肉祭の道化」はロヴェルト・シューマン(1810~1856)が1839年作曲した全5曲から構成されるピアノ曲で、「幻想的絵画」(Phantasiebilder)という副題が付いております。 

クララとの結婚話がうまく進まなかったシューマン1838年秋から1839年3月にかけてウイーンに滞在し、同地の謝肉祭の体験にインスパイアされたシューマンは、その賑やかさなどの様子を生き生きと幻想的に描写してこの曲を作曲いたしました。 そういう点では「アラベスク」や「花の曲」、「フモレスケ」などと連鎖し合った一作という事ができます。

シューマン自身はこの曲を「ロマンティックなショーピース」といささか揶揄的に呼び、副題からも判るように、構図は少し大味で曲想も非常に快活ないかにもシューマンがウイーンで体験した謝肉祭の喧噪や賑わいを描写した描写音楽的な側面は持っておりますが、シューマンが当初は「ロマンティックな大ソナタ」と名付けようとしていたように、内容は単なる描写音楽の小作品群というよりも、変則的な自由なソナタと捉える事ができます。

4曲はウイーン滞在中に作曲され最後の1曲はライプツィヒに帰郷した1839年の3月以降に書かれております。 出版は1841年ウイーンのブライトコプフ・ウント・ヘルテル社から出版されております。

第1楽章アレグロ

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古いフランス風ロンドの形態にエピソードが5つも挿入されておりその楽想の目まぐるしい移り変わりが賑やかな謝肉祭の雰囲気を巧みに描写しております。 第4エピソードに当時ウイーンでは演奏を禁じられていたフランス国歌「ラ・マルセイエーズ」の一部が登場いたします。

第2楽章ロマンツェ

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三部形式で書かれた短く美しい抒情的な楽章です。 3拍子の移ろうかのような中間部が印象的です。

第3楽章スケルツィーノ

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ロンド形式によるユーモラスなスケルツォです。 リズムと軽妙な躍動感が支柱となっております。

第4楽章インテルメッツォ

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内声部の細かい3連音符の動きを背景に旋律線がくっきりと浮かび上がっております。 スフォルツアンドを多用したエネルギッシュな楽章でPの表示は終止和音で初めて現れます。

第5楽章フィナーレ

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ソナタ形式による活気あふれる終曲です。 謝肉祭の喧騒が再び戻っております。 曲尾はプレストとなり高潮して全曲が終わっております。

シューマン ウイーンの謝肉祭の道化♫~リヒテル

シューマン ウイーンの謝肉祭の道化♫~ペライア

シューマン ウイーンの謝肉祭の道化♫~ラローチャ

シューマン ウイーンの謝肉祭の道化♫~ミケランジェリ

シューマン ウイーンの謝肉祭の道化♫~シフラ

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