ピアニスト谷真子Official Blog「message」

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シューマン

シューマン ダヴィッド同盟舞曲集 作品6/Schumann Die Davidsbundlertanze Op.6

「ダヴィッド同盟舞曲集」はシューマンが1837年に作曲し、後自費出版した18曲から成るピアノ曲集です。 「ダヴィッド同盟」というのはシューマンが考え出した架空の団体で、保守的な考えの人に対して新しい芸術を創作するために戦っていく人達の集まりの呼称…

シューマン クライスレリアーナ 作品16/Schumann Kleisleriana Op.16

「クライスレリアーナ」はシューマンが1838年に作曲した8曲から成るピアノ曲集ですがショパンに献呈されております。 作家のE.T.A.ホフマンにシューマンは大変傾倒しておりましたが、ホフマンの書いた小説に登場する「楽長クライスラー」からタイトルの「ク…

シューマン 森の情景 作品82/Schumann Waldszenen Op.82

シューマンの「森の情景」はシューマンが作曲した全9曲からなるピアノ独奏曲ですが、1848~1849年にかけて作曲され1850年に出版されました。 ドイツロマン主義者の詩人にとって「森」とは静寂、活気、神秘、情景といった趣を持つものでしたが、シューマンの…

シューマン パピヨン 作品2/Schumann Papillons Op.2

シューマンの「パピヨン」はシューマンが1829年から1831年のピアニストとしての活動を始めた直後のピアノ作品です。 タイトルとなっている”パピヨン”はドイツの詩人ジャン・パウルの文学の中で良く現れるロマン的な詩的理念の象徴ですが、シューマンはこのジ…

シューマン アレグロ ロ短調 Op.8/Schumann Allegro h-moll Op.8

シューマン(1810~1856)はドイツロマン派を代表する作曲家ですが、1830年、シューマンは20歳の時フランクフルトでパガニーニの演奏を聴き強い衝撃を受けます。 ヴィルトゥオーゾへの道を目指したシューマンは1830年作品1という作品番号を付して「アベッグ…

シューマン フモレスケ 変ロ長調 作品20/Schumann Humoreske B-Dur Op.20

フモレスケはシューマンが1839年に作曲したピアノ独奏曲ですが、その当時シューマンはウイーンに住んでおりました。 同時期に作曲された曲としては「アラベスク」や「花の曲」があります。 後、結婚をするクララは当時はパリに滞在しておりましたが、シュー…

シューマン 幻想曲 ハ長調 作品17/Schumann Fantasie C-Dur Op.17

今日はシューマンの幻想曲 ハ長調 作品17について簡単に書いて見ようと思います。 ベート-ヴェンによって古典派ソナタは完成し、時代は新しいロマン派ソナタを求めておりました。 ベートーヴェンの晩年の作品、シューベルトにその時代の変遷はみられますが、…

シューマン ピアノ五重奏曲 変ホ長調 作品44/Schumann Quintett fur Klavier und Streichquartetto Es-Dur Op.44

ピアノ五重奏曲作品44はピアノと弦楽四重奏(2本のヴァイオリン・ビオラ・チェロ)のために書かれたシューマンの代表的な室内楽作品です。 ごく初期のピアノ四重奏曲を例外として、シューマンはこの年までに室内楽作品を一曲も完成させていませんでしたが、…

シューマン トッカータ ハ長調 作品7/Schumann Toccata C-Dur Op.7

シューマン(1810~1856)のトッカータは1833年に書かれたピアノ独奏曲ですが、この頃のシューマンはピアニストを目指しておりパガニーニの曲をピアノのために編曲するなどしてピアノ演奏技術の向上を目指しておりました。 そのような時期に書かれたこの曲は…

シューマン ピアノ・ソナタ第1番 嬰へ短調 作品11/Schumann Klaviersonate fis-moll Op.11

シューマン(1810~1856)の「ピアノ・ソナタ第1番」はシューマンの1832~1836年にかけて作曲され1836年に出版されております。 シューマンが初めてソナタ形式に挑戦したもので、初版は「フロレスタンとオイゼビウスによるピアノ・ソナタ、クララに献呈」と…

シューマン アラベスク ハ長調 作品18/Schumann Arabeske in C major Op.18

シューマンの「アラベスク」はドイツ ロマン派の化身ともいわれる思索的でロマンに満ちたロヴェルト・シューマン(1810~1856)の本領が示された幻想溢れた名作です。 1839年ウイーン時代に作曲されたシューマンの代表作のピアノ曲ですが、題名の「アラベス…

シューマン ウイーンの謝肉祭の道化 Op.26/Schumann Faschingsschwank Aus Wien Op.26

「ウイーンの謝肉祭の道化」はロヴェルト・シューマン(1810~1856)が1839年作曲した全5曲から構成されるピアノ曲で、「幻想的絵画」(Phantasiebilder)という副題が付いております。 クララとの結婚話がうまく進まなかったシューマンは1838年秋から1839…

シューマン 花の曲 変二長調 作品19

謹賀新年 本年もよろしくお願い申し上げます。 さて今日は新年に相応しいシューマンの「花の曲」をご紹介しようと思います。 シューマンは1838年10月から3月にかけてクララとの結婚話がうまくいかないためウイーンで一旗揚げようとウイーンに滞在いたします…

シューマン 幻想小曲集 Op.12

シューマン(1810~1856)の「幻想小曲集作品12」は8つの小品からなるピアノ曲集ですが、それぞれに詩的なタイトルが付けられておりながら、互いに深い関連性があり、統一感を持ってまとめあげられた作品です。 どの曲もファンタジー豊かな小品ですが、各曲…

シューマンの幻想曲の暗譜の仕方

カテゴリー♪阿部裕之先生♪の記事の中に入っております。

シューマン ピアノ協奏曲 イ短調 作品54

MESSAGE シューマン(1810~1856)のピアノ協奏曲イ短調はシューマンが遺した唯一の完成されたピアノ協奏曲ですが、シューマンは若い頃からピアノ協奏曲の作曲を試みていたことは確かなようで、管弦楽の用法に苦心し未完成に終わっていたようです。 しかし18…

シューマン 交響的練習曲 作品13

MESSAGE 1834年から1837年にかけて作曲されたピアノ曲の大作のシューマンの「交響的練習曲」は、独奏的なピア二ズムと楽器を交響的に扱う表現力の豊かさでピアノ作品の中でも名作と言われ独特の地位を保っている作品です。 主題と12の練習曲から成立しており…

シューマン アベッグ変奏曲 作品1

MESSAGE シューマン(1810~1856)のアベッグ変奏曲は1829年から1830年にかけてライプツィヒで書かれたシューマン20歳の時の意欲的なデビュー作です。 正式なタイトルは「アベッグの名による主題の、ピアノのための変奏曲」です。 シューマンは初めはピアニ…

シューマン 「謝肉祭 Op.9」(11/4 第1稿目)

MESSAGE(11/4 第1稿目) シューマン(1810~1856)はドイツロマン派を代表する作曲家ですが、比較的初期の20歳半ばの作品に「謝肉祭」という傑作があります。 この「謝肉祭」は2014年10月9日に大阪倶楽部で私が師事する♪阿部裕之先生♪が弾かれましたが、今日…

アデリーナ・ララ(1872~1961)

MESSAGE 現在、博士課程前期課程で研究テーマとしている「シューマン(1810~1856)の幻想曲Op,17」について書きたいと思います。 シューマンの幻想曲は3楽章から成る30分にも及ぶ大曲で、同時代の作曲家F.リストに献呈された曲です。(1836~1838) 第1楽…

Balazs MIKUSI ,PhD モーツァルトK.331自筆譜発見(ハンガリー国立セニーチェ図書館)

MESSAGE 8月17日のブログで触れましたハンがリー国立セニーチェ図書館の世界を驚かせた出来事であるモーツァルト/ピアノ・ソナタK.331の自筆譜を発見されたのは、私がシューマンの写稿譜の事でお世話になった音楽部門主任のバラシュ・ミクシ氏でした。 ♪8月…

シューマンとハンガリー国立セニーチェ図書館

今日はシューマンについて徒然に書いてみようと思います。 シューマンと聞くと私には文学を愛した音楽家というイメージがあるのですが、妻のクララ・シューマンとの数多いエピソードでも有名な音楽家です。 ロベルトとクララの二人の往復書簡集が各国語に訳…

シューマン「幻想小曲集」

♪カテゴリー「B-tech Japan」の欄の「吉澤直記氏の思い出」に入っています。♪ ♪カテゴリー「お世話になった先生」の欄の「関孝弘先生の思い出」にも入っています。♪