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モーツァルト ピアノ・ソナタ 第11番 イ長調 K.331 「トルコ行進曲付き」/MOZART Piano Sonata No.11 in A Major, K.331 "Alla turca"

ピアノ・ソナタ11番はモーツァルトが作曲した3楽章構成のピアノ・ソナタです。 

モーツァルト1780年11月にザルツブルクを出発してミュンヘンに赴き、翌1781年3月には同地を離れて最終的にウイーンに定住する事になります。 このウイーンで1783年頃このピアノ・ソナタ11番は作曲されたと考えられております。

長く自筆譜は見つかっておりませんでしたが、数年前自筆譜がハンガリーのセニーチェ図書館で発見され大騒ぎになりました。 自筆譜を発見されたミクシ氏は私がシューマンの研究でお世話になったハンガリーのセニーチェ図書館の研究員の方です。 モーツァルト自筆譜発見について以前ブログで詳しく書いておりますので併せてお読み頂けたらと思います。

Balazs MIKUSI, Ph D モーツァルト K.331 自筆譜発見(ハンガリー国立セニーチェ図書館)

作曲されたとされる1783年頃のウイーンはトルコ軍によるウイーン包囲に対してハプスブルクが勝利を収めてから100周年に当たり最終楽章のトルコ行進曲はこうした世相を反映しております。

変奏曲にはじまり、メヌエットを経てロンドで終わるソナタ形式の楽章を持たない変則的なソナタです。

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第1楽章

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変奏曲の形式です。 優美な主題とその6曲の変奏による楽章です。

第2楽章

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メヌエットとトリオです。 メヌエット主部は前後をそれぞれ反復する2部分での大がかりなものです。 ニ長調の中間部では左手が右手と交差して旋律を受け持ったり、ユニゾンでの強奏などで変化をつけています。

第3楽章

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有名な「トルコ行進曲」です。 当時流行していたトルコ趣味を取り入れたもので、左手の伴奏がトルコの軍楽隊の打楽器の響きを模倣しております。 1700年代初期からピッコロと打楽器群を特徴としたトルコ軍楽がヨーロッパ全土で人気を博し、各地は競ってトルコ人楽家を雇っておりました。 作曲の面でもこの目新しい異国趣味は多くの関心を呼び、グルックハイドンほかの多数のオペラ、バレエから小品にいたるまでたくさんの「トルコ風」の作品が登場しております。

モーツァルト ピアノ・ソナタ11番♫~ブレンデル

モーツァルト ピアノ・ソナタ11番♫~シフ

モーツァルト ピアノ・ソナタ11番♫~アラウ

モーツァルト ピアノ・ソナタ11番♫~バレンボイム

モーツァルト ピアノ・ソナタ11番♫~ピリス

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ピリス

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シフ

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エッシェンバッハ

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