モーツァルト 幻想曲 ハ短調 K.475/モーツァルト ピアノ・ソナタ 第14番 ハ短調 K.457//MOZART Fantasia in C Monor K.475/MOZART Piano Sonata Nr.14 in C minor K.457
モーツァルト(1756~1791)は幻想曲ハ短調とピアノ・ソナタ14番ハ短調を共に1785年に出版しております。 モーツァルト自作品目録によるとソナタは1784年10月14日に、幻想曲は1785年5月20日に作曲しております。
幻想曲は本来、導入曲としての用途があったため、幻想曲ハ短調はピアノ・ソナタ14番の出版に際してその前奏の為に作曲されたものと考えられます。 これら2曲は現在でもセットとして扱われる事が多く続けて演奏するピアニストも多いです。
♫幻想曲ハ短調とピアノ・ソナタ14番ハ短調♫~シフ
献呈は当時モーツァルトが借りていた「フィガロ・ハウス」の家主夫人で同時にモーツァルトのピアノの生徒であったテレージア・フォン・トラットナーに献呈されております。
作品は転調を頻繁に繰り返し幻想曲の名にふさわしく自由に展開していきます。 地から這いあがるような冒頭主題が最後に回帰しハ短調ソナタへの橋渡しとなっております。
♫幻想曲ハ短調♫~アラウ
♫幻想曲ハ短調♫~ケンプ
<モーツァルト ピアノ・ソナタ 第14番 ハ短調 K.457>
ピアノ・ソナタ第14番K.457はモーツァルト(1756~1791)が作曲した3楽章からなるピアノ・ソナタです。 モーツァルトが作曲した短調のピアノ・ソナタはイ短調の8番とこの作品のみです。 このソナタはモーツァルトのピアノ・ソナタの中で最も激しく劇的な展開を見せており、初期のベートーヴェンに強い影響を与えたと言われております。
ピアノ・ソナタ第14番は1784年にウイーンで作曲され1785年に幻想曲ハ短調と共に「ピアノフォルテのための幻想曲とソナタ」作品11としてアルタリアから出版されております。
第1楽章
ソナタ形式。 第1主題はオクターブのユニゾンで力強く始まるが、すぐにか細い応答と神経質な半音下降とで雰囲気が打ち消されます。 展開部は第1主題冒頭部のみを執拗に展開しており再現部では第2主題がハ短調で再現されております。 コーダでは第1主題がカノン風に扱われた後に決然と鐘のような旋律が現れ、最後は低音のうごめくような動きで終わります。
第2楽章
美しいアダージョ。 ロンド形式。 優しい雰囲気を持った主要主題は再現される度に変奏が凝らされていきます。
第3楽章
変則的なロンド・ソナタ形式。 大まかにABACBACコーダという構成になっております。
♫ピアノ・ソナタ第14番♫~ピリス