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ショパン 幻想ポロネーズ 変イ長調 作品61/Chopin Polonaise-Fantaisie As-Dur Op.61

幻想ポロネーズは1846年に出版されたショパン(1810~1849)のピアノ独奏曲ですが、舟歌、チェロ・ソナタと並びショパン最晩年の傑作とされております。 弟子のA.ヴェイレ夫人に献呈されております。

1843年頃からショパンはたびたび病床についており、ジョルジュ・サンドとの関係も破局へと向かうという肉体的・精神的に困難な極限状態にあり、この作品はそのような状態の中で作り出されました。

ポロネーズ第7番ではありますが、ショパンは初めこの曲のタイトルを「幻想」としており、ポロネーズとしてではなく幻想曲として作曲していたためポロネーズ的リズムも見られるものの構成は幻想曲に近いものです。

幻想ポロネーズ」は厳格な形式を持たず即興的に音楽が広がるように聴こえ、主題に回帰しない素材や異質な素材がはさまれる事で音楽の流れが中断されるような感覚に陥る部分や、前の素材と次の素材が入念に結びつく部分があったりと、聴衆は音楽が流れたり途切れたりと言うような感覚を抱かさせられます。

かつてはリストの「芸術の域を超えた芸術だ」と言うような感傷的な評価もありましたが、現在ではホロヴィッツルービンシュタインの名演によりショパン最後の大曲の傑作とされております。

ショパン 幻想ポロネーズ♫~ホロヴィッツ

ショパン 幻想ポロネーズ♫~ルービンシュタイン

ショパン 幻想ポロネーズ♫~キーシン

ショパン 幻想ポロネーズ♫~アルゲリッチ

ショパン 幻想ポロネーズ♫~アヴデーエワ

ショパン 幻想ポロネーズ♫~ブレハッチ

ショパン 幻想ポロネーズ♫~トリフォノフ

ショパン 幻想ポロネーズ♫~辻井伸行

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