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ラフマニノフ コレルリの主題による変奏曲 作品42/Rachmaninov Variations on a theme by Corelli Op.42

ラフマニノフの「コレッリの主題による変奏曲」はラフマニノフが作曲したピアノ独奏のための変奏曲で主題と20のための変奏から成っており親友のクライスラーに献呈されております。

ラフマニノフロシア革命を避けるため1918年にアメリカに亡命しましたが、その多忙さから十分な作曲時間を持つことができませんでした。 しかし1929年本拠地をパリに移してから再び作曲に時間を費やす事ができるようになりそのような時期の1931年に「コレルリの主題による変奏曲」は作曲されました。 ラフマニノフが渡米後に作曲した最初で最後のピアノ独奏曲です。

ラフマニノフコレルリの「ヴァイオリン・ソナタ」作品5(1700年)の終曲の変奏曲「ラ・フォリア」を主題としましたが、コレルリは古来の舞曲のフォリアを元にしている為、ラフマニノフが付けたタイトルは正確ではありません。

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フォリア(folia)は、イベリア半島起源の舞曲です。 15世紀末のポルトガルあるいはスペインが起源とされておりますが、いずれかは定まっておりません。 サラバンドと同じく3拍子の緩やかな音楽で、フォリアとは、「狂気」あるいは「常軌を逸した」という意味があり、もともとは騒がしい踊りのための音楽だったようですが、時代を経て優雅で憂いを帯びた曲調に変化しました。

フォリア 舞踊映像

17世紀にはイタリアで大流行し、多くの作曲家が採り上げております。 とくに、アルカンジェロ・コレッリの『ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ』作品5の12曲中の終曲の『ラ・フォリア』がよく知られております。

コレルリ 「ラ・フォリア」♫~ヴァイオリン

コレッリの曲が有名になったため、フォリアそのものがコレッリの作品と同一視されるという誤解も広まっていきました。

ラフマニノフ コレルリの主題による変奏曲♫~アシュケナージ

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