ショパン(1810~1849)のスケルツォ4番はピアノのための4曲のスケルツォのうちの最後の1曲で1842年に作曲され翌年出版されております。
1番、2番、3番と比べると怒り・絶望といった感情は影を潜め喜びにあふれた洗練されたものです。
構成は自由なロンド・ソナタ形式で、冒頭の主題が全曲を通して重要な役割を演じており967小節に及ぶ大作です。
「スケルツォ」はイタリア語で「冗談」を意味し従来は簡明な形式で明るく軽く小規模な曲を指しております。
しかしショパンの「スケルツォ」は一見するとこうした伝統に全く反し暗く深刻なうえに大規模ですが、「バラード」と比べるときわめて急速でレッジェーロな動機が多く登場し、軽妙な音型や滑稽なまでのコントラストでユーモアを内包しております。
♫ショパン スケルツォ4番♫~ディーナ・ヨッフェ