ピアニスト谷真子Official Blog「message」

ピアニスト谷真子公式サイトよりブログ「message」

譜めくりのお仕事について

生徒さんから演奏会の時譜めくりをされる方はどういう方なのかと質問がありましたので、今日は譜めくりの仕事について書いて見ようと思います。

ピアニストが室内楽や伴奏のコンサートをする時は、楽譜の譜めくりをして下さる演奏家の方を見つけなくてはいけません。(主催者の方で準備したり、ホール専属の譜めくりの方がいる場合もあります。)

簡単な伴奏でしたら楽譜を切り貼りして作り直し、ピアニスト自身で譜めくりをする場合もありますが、室内楽や長い伴奏ですと一瞬の間に譜めくりをするピアニストを聴衆の方が見ているとまるでサーカスを見ているようで聴衆の方もピアニストも演奏に集中できません。

そこで譜めくりをして下さる演奏家の人を探すわけですが、これは結構大変な事なのです。 演奏家は忙しい人が多くみなレッスンや練習でスケジュールが詰まっています。 急にお願いしても断られるケースが多く、コンサートの予定が決まったら早めに譜めくりの仕事をして下さる方を依頼しておきます。

大学の先生は学生さんにアルバイトで依頼されるケースが多いですが、それ以外はプロの音楽家の方に譜めくりの仕事を依頼します。(コンサートの共演者にお願いする場合もあります。) 一見簡単そうに見えますが、実は大変な仕事なのです。 ピアニストの邪魔をしないように左手で楽譜をめくらなくてはいけませんし、また素早く椅子を立ち素早く座らなくてはいけません。 譜めくりの仕事が演奏会の成否に関わる事もあります。

決まりはありませんが一回の譜めくりでの謝礼は5,000円から10,000円の間です。

私の前回のブラームスピアノ三重奏曲第1番と今回のモーツァルトピアノ四重奏曲第1番の演奏の譜めくりをして下さった方は、福原瑞木さんとおっしゃる奈良在住のピアニストの方です。

福原さんは大阪教育大学芸術コースと同大学院を卒業されたピアニストの方ですが、丁寧で端的な譜めくりをされますので、信頼して譜めくりをお願いしております。

私自身は譜めくりはあまり得意ではなく、積極的にはお受けしておりません。

ピアノソロコンサートは舞台上はピアニスト一人で解決致しますが、デュオ、トリオ、カルテット、クインテット、声楽の伴奏等は陰の仕事の譜めくりと言う重要な仕事をして下さる方がいるからこそ演奏会は成立しております。

演奏会の成功の陰にはこのようにいろいろな大勢のスタッフの方がいらっしゃいます。 お子さんは練習して舞台で成果を披露するのも大切なお勉強ですが、自分を支えてくれる大勢のスタッフの方に感謝の念を忘れずご挨拶をすると言うのも大事なお勉強かと思います。

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