ピアニスト谷真子Official Blog「message」

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楽譜の大切さ

専門にお勉強するようになると、使用する楽譜の版などで先生からご指示を頂くことが多くなると思います。

ヘンレ版、ペータース版、ウイーン原典版、等々それぞれのお国で様々な出版社がありますが、専門にお勉強される場合は、輸入版の楽譜を使う事が多く、また1曲に付き何冊もの楽譜を購入する事もあります。

楽譜は演奏家にとっては聖書と同じで、大変神聖で大切なものです。 楽譜はただの印刷物ではなく、その中に作曲家の魂が凝縮されており、演奏家はそれを再現するのが使命です。

使用する楽譜によって演奏も変わってまいりますし、受験やコンクールでは指定される楽譜と違う楽譜を使用して演奏すると、結果に影響してまいります。

ところで先生が楽譜にこだわるのはノーマルな事ですが、生徒さんの方が先生と同じ意識を持っているとは限りません。

音楽の専門に進むと言っても選択肢は多岐にわたります。 将来世界的なピアニストを夢見られる生徒さんから、近所の子供たちにピアノを教える先生になりたいと願う人や、学校の教師になりたいと願う人など、将来への展望は各自異なるのではないかと思います。

本来は、芸術のお勉強をする場合は、経済的な事にこだわらず、最高の道具、材料、テキストなど用意できれば理想ですが、各ご家庭の事情によってそれがかなわない場合もあるかと思います。

どうしても不可能な場合は、先生にその旨を説明する義務が生徒さんにはあると思いますが、せっかく専門への道を進まれるのであれば、他の贅沢を削ってでも楽譜には贅沢をしたいものだと思います。

楽譜を拡げて眺めていると、その向こうには時空を超えた世界が広がり、タイムマシーンに乗って旅行しているような喜びがあります。 せっかく専門に進まれた生徒さんには是非その喜びを知って欲しいものだと思います。

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