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楽譜選びの大切さ

先日、新聞に東京の音大ピアノ科を出られて、東京の全音楽譜出版社に勤めるある30代の女性の方の記事の特集記事が出ていました。

主な仕事は、最終印刷された楽譜を見ながら、赤ペンとルーペを使って、楽譜の音の間違いや、音符の大きさのバランス、♫(→8分音符の横棒の向きやバランス)、譜めくりがしやすいかどうか、音符の配列、演奏家がその楽譜を見たときに音楽の流れに即したインスピレーションが湧くように等を注意しながら1つずつ校訂作業をしていくそうです。

このような仕事は機械作業でできることでなく、手作業で行われている仕事なのだと印象に残った記事でした。

楽譜を見ながら演奏する立場のものとしては、楽譜の紙質や紙の色、楽譜の配置や音符の大きさ、小節の幅、音符のバランスなどは演奏するのに大きく影響すると思います。

楽譜なら何でも良いと言うわけではなく、良い楽譜と言われるものは、楽譜を見た時に、音楽のインスピレーションが掻き立てられ、また、譜めくりがしやすい楽譜であったり、音楽のフレージングと楽譜の段落変えが一致していたりと音楽の流れと楽譜の配列があっている楽譜であると思います。

私も楽譜選びには結構こだわる方で、1曲につき、いくつかの出版社の楽譜を見比べたりすることも多いですが、出版社によって楽譜の見た印象は全く異なり、フレージングなども全く異なる場合が多いです。

それほど演奏者にとって楽譜から受ける影響は大きなものがあると思います。

またコピーした楽譜は紙が白く光りますので、音符が見づらく、目がチカチカして、弾きにくいです。

良い楽譜に使われている紙色は、オフホワイトや黄色い紙質で目に優しい、黒く印字された音符が見やすいものが多いように思います。

普段何気なく購入して使っている楽譜に、色々な裏の苦労や工夫が成されているのだと感じた記事でした。

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