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ラヴェル ラ・ヴァルス ニ長調

今日は、来年のリサイタルのプログラムのラヴェルの「ラ・ヴァルス 二長調/Ravel La Valse D-Dur」について書きます。

ラヴェルのラ・ヴァルスは、もともとは、管弦楽のための舞踏詩「ラ・ヴァルス」として、ラヴェルが1919年12月から1920年3月にかけて作曲したオーケストラのための曲です。

ラヴェル自身によってピアノ2台用やピアノ独奏用の作品に編曲されました。

オーケストラのための作品として作曲されたため、弾きにくい所もあり、「ラ・ヴァルス」は、ピアニストには難曲として有名です。

タイトルの「ラ・ヴァルス」とはフランス語で、「ワルツ」のことであり、19世紀末のウインナ・ワルツへの礼賛として着想されました。

ラヴェルは初版の標題に1855年頃のオーストリア宮廷が舞台であると記しております。

ラヴェル1906年2月批評家マルノルドへの手紙の中で、ヨハン・シュトラウス2世へのオマージュとしてオーケストラのために交響詩風のウインナ・ワルツを書くという構想を披露致しております。

1914年頃には交響詩「ウイーン」というタイトルも出ておりましたが、第1次世界大戦のために未完に終わりました。

1912年の作品「高雅で感傷的なワルツ」はオーケストラによるワルツを実現しているものの、これはシューベルトに倣った連作ワルツのピアノ曲をバレエ曲として管弦楽曲に編曲したものです。

ラ・ヴァルスは原曲に先立ち2台ピアノ版が1920年10月23日ウイーンにおいてカゼッラとラヴェルによって初演され、2ヶ月後の1920年12月12日パリで原曲の管弦楽版が初演されました。

我が師の阿部裕之先生のお得意の曲です。