阿部裕之先生のレッスンを受けに行って参りました。
今日、京都へ阿部裕之先生のレッスンを受けに行って参りました。
6月30日の秋篠音楽堂でのソロ・リサイタルに向けて、1曲ずつ、約2時間のプログラムを全体を通して、聴いて頂きました。
1曲ずつ弾く時とは違い、プログラム全体の流れの中でのバランスや配置がありますので、それを踏まえてレッスンして下さいました。
シューベルトはOp.90は全4曲から成る曲集ですが、今回のリサイタルでは、Op.90-2,3、4の3曲を選びましたので、
プログラムの冒頭はOp.90-2から始まります。
ですので、Op.90-2をOp.90-1から続けて弾く場合とは、エネルギーの持って行き方や、テンポや音楽の表情も変わってきます。
CDの演奏は、大体、4曲続けて録音が多いですで、自分の解釈が必要です。
Op.90-2は、速く軽やかな曲ですので、指だけの動きに走りがちですが、速すぎず、3拍子感を大切に、愛情を持って弾くこと、
Op.90-3では、いろいろな歌い回しが考えられますが、細かな部分の表情のつけ方について、アドヴァイスを頂きました。
Op.90-4では、冒頭が弾きにくいですので、テクニック的なこと、後は音楽の流れの持って行き方について、アドバイスして下さいました。
後は、シューベルトではよく言われることですが、各曲の調性を踏まえて弾くことなど、プログラムの冒頭の曲をどのようなイメージで弾いたら良いのか、イメージをつかむことができました。
バッハ=ブゾーニのシャコンヌは、全体に力強い曲ですので、クライマックスのところでの聴かせ方、
ドビュッシー映像第1集では、第1曲「水の反映」は、細かいところの拍の取り方や、クライマックスへの持って行き方や、力配分、
第2曲「ラモーを讃えて」では、ドビュツシーの曲では、p、piu p (ピウ・ピアノ・・・もっと小さく)、 ppと、小さい所だけでも、何段階にも分けて指示が書かれていますが、その雰囲気を出すための間の取り方や、小さくても大事なところは強調してはっきりと出すなどの、細かいところをアドバイス頂きました。
第3曲「運動」では、ドビューッシーが、機械的な”運動”というものを、抽象的に、音楽で表そうとした作品ですが、機械的にならず、楽しそうに弾く事、一定にテンポで弾くことが難しい曲ですが、急いでしまう箇所や中間部をたっぷりとなどと細かい注意を頂きました。
ラヴェルのラ・ヴァルスは、今までたくさんレッスンを受けて参りましたが、これまでの注意の再確認のほか、ワルツの雰囲気を出すために、ただ、繊細なだけでなく、表情を豊かにつける事、また、fと書いてあっても、同じようにすべて強く弾かなくても、ユニゾンで弾くため、十分に響く箇所があること、(第312小節)、などをレッスンして下さいました。
いつもレッスンを受けて思うことですが、ピアニストとしての長いキャリアの視点からアドバイス下さり、また、ラヴェルについては、「若い時はこう弾いていたけれども、長年の研究の結果、今はこのように弾いているから、このようにした方が良いよ」などというアドヴァイスを頂けることもあります。
阿部裕之先生は、パリで、ラヴェルの直弟子であったペルルミュテールに師事され、ラヴェルのオーソリティーでいらっしゃいますが、ラヴェルのレッスンは貴重なご意見を頂けます。
ピアノを弾かれる方はお分かりかと思いますが、舞台でピアノを弾いているのを観客から見ていると、ドレスやグランドピアノの楽器が醸し出す雰囲気が優雅だな~と思われるかもしれませんが、2時間弾くのは体力が必要です。
♪次回のコンサートのご案内♪
2019年6月30日(日)14時開演
秋篠音楽堂 map
谷真子ピアノ・リサイタル
【プログラム】
ドビュッシー 映像第1集
ラヴェル ラ・ヴァルス