ピアニスト谷真子Official Blog「message」

ピアニスト谷真子公式サイトよりブログ「message」

ショパン スケルツォ第1番とショパンについて徒然に

ショパンはピアノの詩人と呼ばれている作曲家ですが、日本人だけではなくどこの国の方にも人気のある作曲家のようです。私が中学3年から帰阪するまでプライベートレッスンでお世話になっていた東京在住のピアニスト関孝弘先生も(7月30日の記事に関先生の思い出を書いております。)、イタリアでもプログラムにショパンを入れると聴衆の数がアップするとお話されていました。

詳しい伝記や評伝については数多くの書籍が出版されておりますが、写真入りでとても分かりやすい本に、小さい時の恩師故片岡みどり先生(相愛大学名誉教授)から頂いた音楽之友社出版の田村進著「音の詩人 ショパン」という本があります。

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ショパンというと素人の特に女性の方の場合は「素敵」とか「綺麗」とか「繊細」などのイメージを抱く方も多いのではないかと思いますが、私にとってのショパンは音楽で祖国ポーランドの独立のために戦った音楽家というイメージがあります。

EUROPE AFTER THE CONGRESS OF VIENNA

EUROPE AFTER THE CONGRESS OF VIENNA(1815)

THE MOST PERFECT ORDER PREVAILS IN WARSAW

1830年頃のヨーロッパ

 

中1の時から数度、ショパンの祖国ポーランドワルシャワ音楽院(現ショパン音楽大学)の元院長のProf. Kazimierz Gierzodにレッスンをして頂いた事があるのですが(7月27日の記事にゲルジョード先生のお話を書いております。合わせて是非お読み下さい。)、ショパンスケルツォ第1番ロ短調(1831~1832)の真ん中のクリスマスキャロルの部分はポーランドの人なら誰でもが知っている有名なポーランドの民謡のメロディが元になっているそうです。 祖国ポーランドの独立のために駆けつける事が出来なかったショパンの思いがこのスケルツォ1番に良く表れており、今でもこの曲を弾いたり聴いたりする度にスケルツォ1番を作曲した時のショパンの祖国を思う気持ちの強さを感じます。

スケルツォ第1番中間部原曲「眠れ幼きイエス」楽譜

クリスマスキャロル原曲

クリスマスキャロル原曲

ゲルジョード先生と(中1)

ショパン スケルツォ1番楽譜

 フランス時代のショパンプレイエルというフランスのピアノを好んだそうですが、下のショパンの言葉からプレイエルのピアノに寄せるショパンの思いが良く伝わってくると思います。

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プレイエルピアノパンフレット

音で綴られたショパンの詩集であるショパンの音楽をピアノで再現する時、その世界を表現するためには相当に難易度の高いテクニックが必要になってきます。コンクールや試験では必ずショパンエチュードが課題に出されますが、ショパンエチュードは単なる指の練習曲と考えてもそれを完璧に弾くのはかなり難しいですが、ましてや1冊の芸術作品の詩集のように全曲を演奏会で弾くなどという事はピアニストには大変高いハードルです。 先日、ピアニストで東京音楽大学専任講師の菊地裕介さんが大阪シンフォ二ーホールで全曲演奏会をされていたので聴きに行ってまいりましたが素晴らしい演奏でした。

明日はショパン スケルツォ2番、3番の曲や私の好きなピアニストでショパンコンクールで1位になったクリスティアン・ツイマーマン、ユリアンナ・アヴデーエワのCDやコンサートの話など徒然に書こうと思います。

you tubeに中1の時、全日本学生音楽コンクール大阪大会本選で入賞したショパンスケルツォ1番をクリスマスキャロルからアップしております。 またお聴き頂ければ嬉しく思います。(学音のお話は7月24日の記事に書いております。)

全日本学生音楽コンクール大阪大会歴代入賞者一覧より

you tubeスケルツォ1番クリスマスキャロルより(中1)~谷真子

関孝弘先生の記事

ゲルジョード先生の記事

第48回全日本学生音楽コンクール大阪大会の記事