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ショパン ワルツ

MESSAGE

モーツァルトのクラビコードとピアノフォルテ

ショパンは生涯に全部で19曲のワルツを書き残しておりますが、本来は踊りの為の実用音楽にしか過ぎなかったワルツに演奏会用としての魅力と芸術的価値を付加した点でショパンのワルツは舞踏詩とも呼ばれるべきで音楽史的にも特筆すべき作品が多くあります。

ショパンのワルツはただ楽譜通りに正確に音にしても音楽にはなりません。 別にむずかしい技巧を要する大曲ではありませんが、一曲一曲に情緒があり自由なピアノの遊びという感じで大曲とは違う難しさがございます。

第1番作品18は1831年2度目のウイーン訪問時に作曲された作品で「華麗なる大円舞曲」と呼ばれております。 第2番作品34-1は1838年作曲され「華麗なる円舞曲」と呼ばれており前作と同様実際の舞踏曲の要素がかなり大きいです。 第3番作品34-2は1831年の作曲ですが、テンポはワルツには珍しくレントとなっております。

第4番作品34-3は1838年の作曲ですがこれも「華麗なる円舞曲」と呼ばれ「子猫のワルツ」の愛称で親しまれています。 第5番作品42は1840年作曲された「大ワルツ」で伴奏が3拍子で旋律が2拍子となっております。 第6番作品64-1は「子犬のワルツ」で知られる曲ですが1846年から翌年にかけての晩年の作曲です。

第7番作品64-2は第6番と同じ時期に作られた晩年の作品ですが傑作の誉れ高い作品です。 第8番作品64-3も第6番、第7番と同じ晩年の作品ですが大変明るい曲です。 ここまでの8曲が生前出版されたものです。

第9番作品69-1は1835年恋人ヴォジンスカに与えたワルツですが恋は実らなかったため彼女は「別れのワルツ」と呼んで愛奏したそうです。 第10番作品69-2は1829年ポーランド時代の作品です。 若々しい作品でマズルカの雰囲気が濃く出ております。 第11番作品70-1は1835年に書かれた作品で難曲です。

第12番作品70-2は1841年の作品です。  甘美なメロディです。 第13番作品70-3は1829年ポーランド時代の作品で初恋のコンスタンティアを想って作られた優れたワルツです。 第14番遺作は1829年作曲されたものですが出版は死後の1855年です。 初期の一連の「華麗なる」ワルツの先駆けのような作品です。

第15番遺作はポーランド時代末期の作品です。 第16番遺作は1827年の作品でショパンの最も若い時代に属する作品です。 第17番遺作は1840年に作曲されたものです。 第18番遺作は1829年頃の作曲ですが愛らしい作品です。 第19番遺作は1843年頃に書かれたと考えられております。 素朴なワルツです。

その中で傑作として名高いショパン晩年の1846年から翌年にかけて作曲されたワルツ第7番Op.64-2嬰ハ短調にリンク致します。

ショパン ワルツOp.64-2♫~エフゲニー・キーシン

ショパン ワルツOp.64-2♫~ホロヴィッツ

/ショパン ワルツOp.64-2♫~ルービンシュタイン

ショパン ワルツOp.64-2♫~ヤン・リシエツキー

ショパン ワルツ全集♫~アシュケナージ

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コルトー

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ルービンシュタイン

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アシュケナージ

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明日はシューマンのアベッグ変奏曲について書きます。