美しい小品 3曲
スタジオもクリスマスです。
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第1曲目は皆様ご存じのグルックの「精霊の踊り」という曲です。
グルック(1714~1787)はオペラ改革理論を実践したドイツの作曲家ですが、そのグルックが1762年に作曲した有名なオペラに「オルフェオとエウリディーチェ」というオペラがあります。 その中でパリ版の第2幕第2場に「精霊の踊り」という美しい曲があります。 これは天国の野原で精霊たちが踊る場面ですがその深い森の霊気や暖かい光などが感じられる自然の光景には深く心に訴えかけてくるものがあります。
それは「自然」の素朴な美しさ、飾りのなさにこそ「真実」があるとするグルックの芸術感が表れているのではないかと思います。
「オルフェオとエウリディーチェ」というオペラは原作はギリシャ神話からとられたものですが、愛する妻の姿を求めて、黄泉の国へと行ったオルフェオが竪琴を奏でると地獄の霊たちも心を動かされます。 そして晴れやかな野原で精霊たちが踊る中にエウリディーチェを見つけます。 連れて戻ろうとしますが、不審がるエウリディーチェをオルフェオは約束を破って振り返ってしまいます。 エウリディーチェは息絶えてしまい悲しんだオルフェオは自らも命を絶とうとしますが、二人の愛の強さに心打たれた愛の神はエウリディーチェを生き返らせ二人は仲良く結ばれるというお話です。
オーケストラの「精霊の踊り」にリンク致します。
次はフルート独奏にリンク致します。
♫グルック 精霊の踊り♫~フルートとハープ
次はクライスラー編曲「メロディ」にリンク致します。
♫グルック/クライスラー メロディ♫~ヴァイオリン(パールマン)
次はピアノ編曲にリンク致します。
♫グルック/Sgambati メロディ♫~ピアノ(キーシン)
♪グルック/スガンバーティ メロディ 楽譜♪~アカデミア・ミュージック
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ミハイル・グリンカ(1804~1857)はロシアの国民音楽の父・近代ロシア音楽の父と称されるロシアの作曲家ですが、グリンカを崇拝していたミリー・バラキレフ(1837~1910)がグリンカの歌曲をピアノ独奏用に編曲した小品に「ひばり」という美しい小品があります。
♫グリンカ ひばり♫~Galina Vishnevskaya(ソプラノ)
♫グリンカ/バラキレフ ひばり♫~エフゲニー・キーシン(ピアノ)・・・スコア付き
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第3曲目はカタロニア民謡(カザルス編)「鳥の歌」です。
カザルスは20世紀のスペインを代表するチェリストですが、カザルスが自ら編曲し演奏していた曲に祖国カタロニアの民謡「鳥の歌」という曲があります。 カザルスは「カタロニアの小鳥たちは高い空でピース(平和)、ピースと鳴くのです。」と言いこの美しい調べを演奏する事で平和のために戦い続けましたが、カザルスの魂の声とも言える小品です。
イギリスのチェリストのウェッバーがカザルスのエピソードやコメントを編纂した本に「パブロ・カザルス鳥の歌」という本がありますのでご紹介いたします。 その中に「音楽」という項目がありますが、カザルスの言葉として「音楽を心からうやまいなさい。 それが音楽の第一の掟だ。」という言葉があります。 とかく結果に走る世相の中で深く考えさせられる言葉だと思います。
♫カザルス 鳥の歌♫
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ひばり
鳥の歌
鳥の歌
♪グリンカ/バラキレフ ひばり 楽譜♪~アカデミア・ミュージック