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ラヴェル マ・メール・ロア

MESSAGE

モーツァルトのクラビコードとピアノフォルテ

ラヴェルの「マ・メール・ロア」はラヴェルが「マザー・グース」を題材にして作曲したピアノ4手連弾の組曲です。 子供好きのラヴェルが友人の2人の子どものミミとジャンのために作曲しこの二人に献呈されたものです。

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マザー・グース

元々はフランスのシャルル・ぺローの童話集(1697)のフランス語の口絵の「マ・メール・ロア」の英訳(1729)の訳語であり後「マザー・グース」が英訳の本のタイトルとして使われるようになりました。 現在では英米を中心に読まれている英語の伝承童謡の総称として使われております。 

マ・メール・ロア」は1908年から1910年にかけて作曲され1910年パリで初演されました。 本来はミミとジャンが弾くことを想定して作曲されましたが、難しくマルグリッド・ロンの弟子が演奏したそうです。

第1曲は「眠れる森の美女のパヴァーヌ」ですが、これはシャルル・ぺロー(1628~1703)の童話の「眠れる森の美女」から題材を得たものです。

第2曲は「親指小僧」ですがこれは「マザー・グース」から題材を得たもので、森で道しるべに散らしたパン屑が帰りには鳥に食べられていたので親指トムがびっくりしたというお話です。

第3曲は「パゴタの女王レドロネット」ですが、パゴタとは中国製の首振り)陶器人形の事です。 ドーニア伯爵夫人マリー・カトリーヌ(1650~1705)の「緑の蛇」から題材を得たものです。 タムタムの音に乗ったゆっくりとした旋律は中国の京劇を思わせます。

第4曲は「美女と野獣の対話」ですが、これはマリー・ルプランス・ド・ボーモン(1711~1780)の「子供の雑誌・道徳的な物語」の美女と野獣から題材を得たものです。 容姿は醜いが心は美しい野獣と美女の恋の物語です。

第5曲は「妖精の国」です。これはぺローの「眠れる森の美女」の王女が目を覚ますシーンです。

1911年オーケストラ組曲に編曲され1911年から1912年にかけてバレエ曲に編曲されました。 バレエ音楽前奏曲と「紡ぎ車の踊りと情景」や4つの間奏曲が追加されております。 17世紀風の典雅で繊細な気分とお伽噺風の感じを出すために2管編成で書かれております。 

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ラヴェル 組曲マ・メール・ロア

ラヴェル マ・メール・ロア♫~谷真子(小学3年)・・・4手連弾

ラヴェル マ・メール・ロア♫~ランラン、マルタ・アルゲリッチ・・・4手連弾

明日はラフマニノフのピアノ協奏曲第3番について書きます。