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ショパン ポロネーズ 第6番 変イ長調 作品53 英雄

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ショパン(1810~1849)が初めて作曲したポロネーズは7歳の1817年に書いたト短調ポロネーズですが、その後もショパンは生涯にわたって16曲のポロネーズを生み出しました。

軍隊ポロネーズ幻想ポロネーズ英雄ポロネーズが有名ですが、この英雄ポロネーズは最円熟期の1842年に作曲され翌1843年に出版されました。 タイトルはショパンが付けたものではありません。

ポロネーズとはフランス語で「ポーランド風の」の意味ですが、ポーランド起源のダンス、またはそのための舞曲を指します。 ゆっくりな4分の3拍子でもとはポーランドの民族舞踊でしたが1つの様式となってヨーロッパ中で流行いたしました。 ショパン誕生頃にはすでに全盛期を過ぎていたのですが、ショパンはこれに独自のセンスを加え、踊りの伴奏から独立した立派な芸術にまで高めました。

英雄ポロネーズは彼のポロネーズの中でもひときわスケールの大きな華麗でダイナミックな曲で、その輝かしい雰囲気と力強いリズムや中間部の軍隊行進曲風の旋律はポーランドの栄光をたたえているとされショパン愛国心の表れとされております。

16小節の堂々とした序奏に続いて、ポロネーズ部のリズムは雄然と雄々しく力強く他のどのポロネーズに比べても最も力強いポロネーズです。 やがて左手オクターヴの上に騎士が馬にのって剣をかざし天空を駆けるようなメロディが登場し、勝利に満ちた終わりは後世の人が英雄と名付けたのが納得いくものとなっております。

ポロネーズ第6番「英雄」♫~アルゲリッチ

ポロネーズ第6番「英雄」♫~キーシン

ポロネーズ第6番「英雄」♫~ランラン

ポロネーズ第6番「英雄」♫~ユンデイ・リー

ポロネーズ第6番「英雄」♫~ルービンシュタイン

ポロネーズ第6番「英雄」♫~ブレハッチ

ポロネーズ第6番「英雄」♫~ブーニン

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ホロヴィッツ

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ポリー二

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ピオトル・パレチ二

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Takeshi Kakehashi

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ショパン英雄ポロネーズの中に左手の連続する難しいパッセージが出て参ります。

力を入れたまま弾き続けると手が痛くなってきますので、脱力するのがとても大切なポイントです。

あと、黒鍵と白鍵を交互に弾きますので、鍵盤の打鍵の位置も大切なポイントかと思います。

黒鍵を弾く時は、白鍵にできる限り近い場所で、逆に白鍵を弾く時は、出来るだけ黒鍵に近い場所を弾くと、黒鍵と白鍵の間を最短距離で弾くことが出来ます。

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左手の連続する難しいパッセージ

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明日はリストのConsolations(慰め)について書きます。