リスト コンソレーション(慰め) S.172
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リスト(1811~1886)の「コンソレーションS.172」は原題はフランス語で「Consolations,Six Pensees poetiques」(慰め、6つの詩的思考)と言われ、これは1830年出版のサント・ブーヴの詩集「コンソラシオン」にインスパイアされたものです。
リストの音楽は当時のロマン主義の思想や文学に深く関わっておりますが、このサント・ブーヴの詩集「慰め」に着想を得て作曲されたこの曲も、そうした彼のロマン主義的な特質を如実に表しており、詩の内容を具体的に表現するというよりは、抒情的なロマン主義的精神を音で表現した作品といえます。
リストの他の超絶技巧を誇示する作品と異なり平易な技術でも演奏効果が高く、タイトル通り上品さと情感のこもった落ち着いた曲想で、曲集を通じて夢想性や静けさが漂っており、リストのロマンティックで甘美な側面が強調された人気の高いピアノ作品となっております。
1849年から1850年にかけて作曲され献呈はリストの生き様に理解を示したワイマール大公妃のマリア・パヴロヴナに献呈されております。
第1番は優しいもの静かなコラール風の25小節の短い小品で第2曲への序奏となっております。
第2番は伸びやかな上昇音型と自由な変奏が特徴となっております。
第3番はため息に似ており左手のアルぺッジョの伴奏にのって右手が平和に歌うレントです。
第4番はワイマールの大公妃マリア・パヴロヴナの書いた旋律に基づいております。彼女はロシア皇帝アレクサンドル1世の妹です。
第5番は抒情的なカンタービレです。
第6番は劇的な要素を持つ唯一の曲で曲の中ほどでクライマックスへ盛り上がりますが静かに終わります。
♫コンソレーション全曲♫~チッコリー二(番号順にクリックできます。)
♫コンソレーション全曲♫~チッコリー二(映像付き)
♫コンソレーション第3番♫~ネルソン・フレイレ
コンソレーション全曲~ボレット
コンソレーション第3番~ペライア
コンソレーション第2番、第3番~タマーシュ・ヴァーシャーリ
コンソレーション第6番~リヒテル