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ブラームス 16のワルツ 作品39/Brahms 16 Walzer Op.39

1862年ブラームスは故郷のハンブルクを離れウイーンへ移り住む事になりますが、その3年目の1865年1月に「16のワルツ作品39」は作曲されました。

初めブラームスはこれらのワルツをピアノ連弾用として作曲しますが、ビ-ダーマイヤー時代における家庭音楽への需要の高さから売り上げは非常に好調で、ほぼ並行してピアノ独奏用に編曲し、さらに技巧的に容易な子供用のものまで書き、のちに抜粋で二台ピアノ用の編曲も行いました。

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ビーダーマイヤー

19世紀前半のドイツやオーストリアを中心にもっと身近で日常的で簡素なものに目を向けようとして生まれた市民文化の形態の総称

ブラームスを支持していた音楽評論家のエドゥアルト・ハンスリックに献呈されましたが、ハンスリックは「まじめで無口なブラームス、あのシューマンの弟子で北ドイツのプロテスタントで、シューマンのように非世俗的な男がワルツを書いた。」と驚いたそうです。

当時ウイーンでは、ヨハン・シュトラウスが「ワルツ王」と呼ばれ全盛を極めており、ワルツは完全に娯楽的な踊るための音楽と考えられていましたので、ブラームスがワルツを作曲した事は驚きだったのでしょう。 

シュトラウスのワルツに比べてブラームスのワルツは、規模の小さな小品でショパンのような高雅な洗練さには欠けるものの親しみやすいものです。 

楽曲ごとに性格の違いが見られ、貴族が舞踏会で踊るウインナー・ワルツよりも南ドイツの農民が踊っていた民俗舞踊のレントラーに近い味わいを含んだもの、リズムに凝ったもの、スラヴ風の憂いを含んだもの、ハンガリー風のにぎやかな曲想を持つもの、子守歌風のもの、ノクターン風のものと様々で、簡潔で素朴でブラームス作品の特徴が凝縮されており、ショパンの「24のプレリュード作品28」に似た特質を持っております。

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ブラームス 16のワルツ 作品39 全曲

ブラームス 16のワルツ 作品39 1番~4番♫~キーシン

ピアノ独奏版と二台ピアノ版は連弾とは調が異なる曲があり、ピアノ独奏版の13番はロ長調、14番は嬰ト短調、15番は変イ長調、16番は嬰ハ短調で書かれております。

また15番は特に有名で「愛のワルツ」として世界中で愛奏されております。

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ブラームス16のワルツ作品39 第15番 変イ長調♫~キーシン

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