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ヒナステラ アルゼンチン舞曲集 作品2/Ginastera Danzas arugentinas Op.2

ヒナステラ(1916~1983)はアルゼンチンのクラシックの作曲家ですが、ブラジルのヴィラ=ロボスと並びラテンアメリカで最も重要な作曲家の一人です。

1938年ブエノスアイレス音楽院を卒業しますが、「アルゼンチン舞曲集」は在学中の1937年に書かれた作品です。 後期作品に見られるような前衛的な表現はまだあまり見られず、民族色を前面に押し出した親しみやすい楽曲でヒナステラのピアノ作品を代表する曲の一つです。

この曲は同じアルゼンチンのブエノスアイレス出身のマルタ・アルゲリッチがアンコール曲として好んで演奏したことでよく知られる曲でもあります。

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第1曲 Danza del viejo boyero(年老いた牛飼いの踊り)

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右手は調号がなく左手には♭5つがつく複調の手法。 民族的な題材によりながらもすでに前衛的な姿勢が見受けられます。 曲の終わりにはヒナステラが好んで用いたギターの開放弦(E-A-D-G-H-E)が出てきます。

ヒナステラ 年老いた牛飼いの踊り♫~アルゲリッチ

第2曲 Danza de la moza donosa(優雅な乙女の踊り)

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中南米の舞曲の中にはヨーロッパの宮廷舞曲をルーツに持つものが多くありますが、この曲も原題の「donosa」(上品で粋な女性を表す言葉)の名の通り優雅で気品に満ちた曲です。

ヒナステラ 優雅な乙女の踊り♫~アルゲリッチ

第3曲 Danza del gaucho matrero(ガウチョの踊り)

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ガウチョ」とはパンパと呼ばれる草原地帯で牧畜を営むいわば南米のカウボーイの事です。 職業としてのガウチョは19世紀に消滅いたしましたが、今でもガウチョはアルゼンチンの勇敢な男の象徴です。 楽曲中にはアルゼンチン北西部発祥のチャカレーラやサンバ(ブラジルのサンバとは別のもの)、マランボといった民族舞曲が使われていますが、これらの民族舞曲はいずれもガウチョたちが草原で踊っていたものです。

ヒナステラ ガウチョの踊り♫~アルゲリッチ

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