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バッハ 3声のインヴェンション(シンフォニア) 第3番 二長調 BWV789/Bach Sinfonia D-Dur BWV789

インヴェンションとシンフォニア BWV 772-801(Inventionen und Sinfonien BWV 772-801)は、ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685~1750)が作曲したクラヴィーアのための曲集でケーテン時代の1723年頃の作品です。 同年、バッハは聖トーマス教会音楽監督(トーマスカントル)に就任しておりライプツィヒ時代には教育目的のクラヴィーア曲が多数作曲されました。

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長男のために編まれた「ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集(Klavierbüchlein für Wilhelm Friedemann Bach)」(1720年頃)の後半部に初稿があり、同書の前半部には「平均律クラヴィーア曲集第1巻」(1722年)の初稿が含まれております。 初稿の曲名は「プレアンブルム」(Praeambulum, 32-46曲, 36-51頁)と「ファンタジア」(Fantasia, 49-62曲, 58-73頁, 72-73頁散逸)でした。

インヴェンションは2声部の、シンフォニアは3声部の、対位法的な書法による様々な性格の小曲です。 シンフォニアは「3声のインヴェンション」と呼ばれることもあります。

演奏だけでなく、作曲も視野に入れた優れた教育作品として、現在も高く評価されており、現代のピアノ学習者のための教材としても広く用いられております。 

シンフォニアはほとんどがフーガ書法で書かれておりますがフーガに独特の累加的な始まり方をするものが全くなく、これは学習用の小品という意図に見合った短い主題を、やはり短い1曲の中でできるだけ多様に展開するためと、響きが硬くなるのを避けるためと考えられます。

部分的には三重対位法が用いられており主題の反行や転回によって多様な組み合わせが現れます。

15曲の調は2声インベンションと同じ配列で並べられておりおそらく実践で用いられる頻度に応じて選ばれたものと思われます。

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第3番 ニ長調 BWV 789は4分の4拍子で、冒頭で下属調の第4音であるCが出てくるため、あたかもト長調であるかのような印象を受けます。 平行3度の音階、複雑な左右の受け渡しが発生するストレッタなど、高度な技巧が要求されます。

バッハ シンフォニア 第3番♫~シフ

バッハ シンフォニア 第3番♫~ギーゼキング

バッハ シンフォニア 第3番♫~グ―ルド

バッハ シンフォニア 第3番♫~ハープシコード

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