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ラヴェル 左手のためのピアノ協奏曲 二長調/Ravel Concerto pour la main gauche D-Dur

第1次世界大戦で右手を失ったピアニストのパウルウィトゲンシュタインは、ラヴェル(1875~1937)に左手だけで弾ける曲の作曲を依頼します。

これに応えて作曲したのが「左手のためのピアノ協奏曲」でラヴェルにとって最初のピアノ協奏曲です。

作曲は1929年冬に始められましたが、ラヴェルは作曲するにあたり古今の作曲家サン=サーンス、ゴトフスキー、ツエルニー、アルカン、スクリャービンらの左手のための曲の勉強を致します。

1931年11月27日ウイーンでウィトゲンシュタインのピアノで初演が行われましたが、ウィトゲンシュタインは楽譜通りに弾ききれずその上音楽性をも非難したためラヴェルとの仲は険悪なものとなります。

ラヴェル晩年の傑作として高く評価されると同時に左手だけのピアノ・ソロやジャズの影響が色濃く反映されており極めて個性的なピアノ協奏曲です。

曲は切れ目なしに演奏される単一楽章ですが、大きく3つの部分に分けられピアノ・パートは大変な難曲でとても片手で弾いているとは思えない見事な書法で書かれております。

ラヴェル 左手のためのピアノ協奏曲♫~フランソワ

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