ピアニスト谷真子Official Blog「message」

ピアニスト谷真子公式サイトよりブログ「message」

大学院

昨日は午前中、大人の方をレッスンした後、今通っている大学院まで論文のサブ・アドヴァイスを受けに行ってまいりました。

論文のタイトルは「シューマンの幻想曲Op.17についての研究」で、第1楽章の演奏解釈を中心に論じたものですが、完成に向けて作曲学的な見地からサブ・アドヴァイスを頂くために、作曲の先生のゼミを受けに行きました。

シューマンの「幻想曲」は昔から綺麗な曲だなと思いながらアラウ・ホロヴィッツ等のCDを良く聴いておりましたが、大阪倶楽部での阿部裕之先生のシューマンの「幻想曲」の演奏を聴いた時、幻想曲ではあるもののその構築力の素晴らしさ、まるで図面を引いてその通りに綿密に建てられた建築物であるかのような演奏に感動致しました。

その事がきっかけで、私はシューマンの「幻想曲」について研究してみようと思い、論文のテーマをそれにいたしました。

シューマンの「幻想曲」は、シューマン自身は初めは「ピアノ・ソナタ」と題しておりましたが、出版社の方で「幻想曲」と変更したというエピソードを持っている曲です。

当時はベートーヴェンによって古典派のピアノ・ソナタはすでに完成されており、作曲家たちは新しい時代のピアノ・ソナタを模索しておりました。 過度期のシュ-ベルトに始まり、シューマン、リストとロマン派の作曲家へと歴史は繋がるわけですが、シューマンの「幻想曲」はロマン派の時代の新しいピアノ・ソナタの萌芽と言えのではないかと言うのが今回の私の論文のテーマです。

それを証明するためにいろいろな先行研究から論文を作成していくわけですが、論文を書くにあたってはお作法というものがございます。 そのお作法を教授からご指導頂くわけですが、これがかなり大変な作業です。

完成しましたらブログにアップ致しますので、またご興味のある方はお読みください。 ページ数はだいたい100ページくらいの論文です。

今日は新しくレッスンを始められた5歳の男の子のレッスンがありますので、気持ちを切り替えてレッスンに臨みたいと思います。

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