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シューマン 森の情景 作品82/Schumann Waldszenen Op.82

シューマンの「森の情景」はシューマンが作曲した全9曲からなるピアノ独奏曲ですが、1848~1849年にかけて作曲され1850年に出版されました。

ドイツロマン主義者の詩人にとって「森」とは静寂、活気、神秘、情景といった趣を持つものでしたが、シューマンの「森の情景」は文学と音楽の結びつきをさらに高め、ロマン派詩人達の描いた「森」をモチーフとして作曲したと言われております。

作曲当時は各曲に短い詩が載せられておりましたが、出版に際して第4曲目の「気味の悪い場所」のフリードリッヒ・ヘッベルの詩以外は除かれました。

第1曲 森の入り口 / "Eintritt"

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明るく始まるものの、陰と陽の対比がみられる曲です。 メロディーが高声、内声、低声と様々な音域で歌われていきます。

第2曲 茂みのなかで獲物を待ち伏せる狩人 / "Jager auf der Lauer"

2

 <森の入り口>から一転して、激しさを貫く曲です。 左右の手がユニゾンとなる部分が効果的に挿入されています。

第3曲 孤独な花 / "Einsame Blumen"

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訴えかけるかのように、メロディーが上に下に曲線を描いていきます。 簡素な伴奏は、このメロディーを非常に引き立てております。

第4曲 気味の悪い場所 / "Verrufene Stelle"

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この曲にのみ、冒頭に詩が添えられています。その内容は光の届かない森の中で高く伸びた花は青白く、ただ一本赤い花も、陽の光ではなく、大地の色、人間の血を吸い込んだ赤色をしているという不気味なものです。

第5曲 親しみのある風景 / "Freundliche Landschaft"

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第6曲 宿 / "Herberge" 

6

主に高声で歌われるメロディーが、時折、中音域や低音域に移り、会話を連想させます。 メロディーそのものも、音形もリズムも共に、語りかけるような語尾が特徴的です。

第7曲 予言の鳥 / "Vogel als Prophet"

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曲の中ほどで、ほんのひと時、コラール風の場面がみられます。 曲全体が、半音階的な音の動きに満たされています。

第8曲 狩の歌 / "Jagdlied" 

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勇壮な趣に、どこか哀愁も感じられる曲です。

第9曲 別れ / "Abschied"

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シューマン 森の情景♫~ピリス

シューマン 森の情景♫~リヒテル

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