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シューマン ピアノ・ソナタ第1番 嬰へ短調 作品11/Schumann Klaviersonate fis-moll Op.11

シューマン(1810~1856)の「ピアノ・ソナタ第1番」はシューマンの1832~1836年にかけて作曲され1836年に出版されております。

シューマンが初めてソナタ形式に挑戦したもので、初版は「フロレスタンとオイゼビウスによるピアノ・ソナタ、クララに献呈」と題されております。

シューマンは3曲のピアノ・ソナタと未完の4番を残しておりますが、当時シューマンはこのピアノ・ソナタ第1番は生命力が乏しい事を述べ、ソナタ形式そのものに限界があり今後より自由で新しいものを創造すべきだと書き残しております。 しかし現在では数多く演奏され多くの演奏家のレパートリーとなっております。

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第1楽章 序奏付きソナタ楽章 嬰へ短調

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1832年の自作作品「アレグロファンダンゴ」を改作したものです。 ファンダンゴとはスペインのアンダルシア地方に伝わる舞曲のリズムですが、シューマンの外交的な性格を象徴するような想像上の人物のフロレスタン的な要素が強いです。 長大な序奏が繰り広げられ、単に導入ではなく再現部の前の導入も兼ねており第2楽章アリアの主題も表れます。

第2楽章 アリア イ長調

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1827年の自作歌曲「アンナに寄せて(ケルナー詩)」に基づいて書かれたもので、シューマンの内向的な一面を象徴するオイぜビウス的な要素が強い楽章です。 非常に美しく簡潔に書かれております。 第1楽章の主要モティーフである左手5度の動機も効果的に扱われております。

第3楽章 スケルツォと間奏曲 嬰へ短調

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スケルツォ楽章でありながらロンド形式に近く、このような要素を持ち込む事によりシューマンらしい古い習慣への皮肉が込められていると言われております。

第4楽章 フィナーレ 嬰へ短調

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繰り返されるフロレスタン的な主題にオイぜビウス的なフレーズを持つ対位楽想も加えられ情熱的なコーダでしめくくられております。 分厚い和音の主題に始まる長大な終楽章ですが自由なロンド楽章で様々な要素が持ち込まれ形式的には複雑を極めております。

シューマン ピアノ・ソナタ第1番♫~キーシン

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シューマン ピアノ・ソナタ第1番♫~アヴデーエワNo.1

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