ベートーヴェン ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73 「皇帝」/Beethoven Konzert fur Klavier und Orchester Nr.5 Es-Dur Op.73
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」が作曲された1809年頃は、ヨーロッパ制覇を目指すフランスのナポレオン軍がオーストリアに迫りウイーンを占領しウイーン中が混乱に陥った時期でしたが、その騒然とした戦禍の中でベートーヴェンは「皇帝」の構想を練り郊外のバーデンに移って完成させます。
ベートーヴェンの保護者だった王侯貴族たちも街から逃げ出してしまい、彼は財政的に困窮した状態にありましたが、作曲当時の厳しい社会背景や自身の健康状態から来る精神的不安を感じさせる所は全くなく、明るい曲想をしており、ベートーヴェンの中期を飾る傑作です。
初演は1811年11月28日ライプツィヒのゲヴァントハウスにてヨハン・フリードリヒ・シュナイダーの独奏、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団で行われました。 半年後の1812年2月15日にはウイーンでベートーヴェンの弟子でピアノの教則本でも有名なツエルニーの独奏でウイーン初演されましたが、その後はベートーヴェンが没するまで演奏される事はありませんでした。
「皇帝」というタイトルはベートーヴェンが付けたものではなく、出版人のJ.B.クラマーが名付けたものですが、混乱期にかかれたこの協奏曲には強い民族意識が根付いております。
献呈は第4番と同じくベートーヴェンの後援者・弟子・友人であったルドルフ大公に献呈されております。
第1楽章
協奏風のソナタ形式。 オーケストラの力強い和音の後すぐにピアノのカデンツァ風のパッセージを華々しく登場させていますが、これは単なる序奏でその後風格のある第1主題と初め短調で奏でられる第2主題とが続きます。
第2楽章
自由な変奏曲形式。 優しく落ち着いた緩徐楽章がしっとりと奏でられて行きます。 最後は第3楽章の主題がゆっくり示され切れ目なく第3楽章に入ります。
第3楽章
ロンド・ソナタ形式。 第2楽章で現れた主題がフォルテで開始されていき、フィナーレは豪快で力感に溢れて華やかです。
♫ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」♫~ツイメルマン
♫ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」♫~ミケランジェリ
♫ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」♫~ポリー二
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♫ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」♫~バックハウス
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ユンディー・リー
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