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ショパン「華麗な変奏曲 Op.12」(全日本学生音楽コンクール大阪大会入賞者発表演奏会 中1)

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モーツァルトのクラビコードとピアノフォルテ

今日はショパンの「華麗な変奏曲 Op.12」について書きます。 この曲は♪中学1年の時第48回全日本学生音楽コンクール♪入賞者発表演奏会で弾いた曲です。

本選が1994年10月30日(日)に終了し、入賞者発表演奏会が12月23日(金・祝)でしたので、本選の終了したその日からすぐ読譜を始めたとしても2ケ月ありませんから、新曲を「完成度高く」披露するのは中学生には少しハードルの高い課題でした。

しかし♪故片岡みどり先生♪(当時すでに相愛大学名誉教授)が中学1年生の私に出されたタスクは、「新曲を2ケ月足らずで完成度高く仕上げ演奏会として成功させる事」でした。

毎日コンクールは他のコンクールと違い壮絶な戦いですので、終了した後の脱力感は大きいものがあります。 その2ケ月後に全くの新曲を、それも読譜レベルではなく、演奏会として成立するものに仕上げて披露するという事はプロのピアニストにとっても大変な事なのです。

でも片岡先生は「それができないなら、いくら入賞しても意味がない」というお考えでしたので、私はまたハードな練習に取り組みました。 入賞者演奏会の当日は聴きに来て下さった片岡先生にも誉めて頂き(非常に珍しい事です)、お写真を一緒に撮って下さいました。 そのお写真は今も大切にレッスンルームに飾っています。

今から思えばまだ子どもでしたので何かの現実的な目標のためにピアノを頑張っていたわけではないように思います。 そういうものだと思ってピアノと向き合っていたように思います。

第48回全日本学生音楽コンクール大阪大会入賞者発表演奏会

ピアノ部門 中学校の部 プログラム

片岡みどり先生と

さてこのショパンの「華麗な変奏曲 Op.12」は、1833年ショパンがパリに来て2年目に作曲された曲ですが、昨日ご紹介した「ロンド Op.16」と同じように、当時のパリの人の好みを反映した華やかな演奏効果の高い作品です。

中1の入賞者演奏会で弾いたあと、中学3年生の春に片岡先生のお宅で、(以前ブログで書きました)♪ゲルジョード先生♪に「華麗な変奏曲」をもう一度取り出して新しく見て頂いた事もあります。 

簡単に曲のご紹介をしたあと私の楽譜の一部を掲載いたしますのでどうぞご覧下さい。 

タイトルのVARIATIONS BRILLANTESはフランス語ですが、その下に「uber das Rondeau "Je vends des scapulaires” aus der Oper 「Ludovic」 von Herold und Halevy」(エロールとアレヴィのオペラ「リュドヴィク」のロンド「私は僧衣を売る」による)と書き添えてあります。

エロールというのはオペラ「リュドヴィク」を作った作曲家の名前です。 そのオペラの中のアリア「私は僧衣を売る」の旋律を使ってショパンは変奏曲を作りましたが、その変奏曲がこの「華麗な変奏曲」です。 エロールは未完のまま亡くなりましたのでアレヴィが補筆して上演したようです。 多分ショパンもこのオペラを見たのではないかと思われます。 当時のパリのサロンでは、流行しているオペラの旋律を使って作曲される「オペラ・パラフレーズ」のような作品が人気があったので、多分ショパンもそれに合わせてその種の作品を書いたのではないかと思われます。

初めに華やかな序奏があり、次にテーマが示され4つの変奏が続き、華やかなコーダで終わります。

内容的にはあまり意味はなく技巧を誇示する演奏効果を狙う華やかな曲です。 記事の最後に二キタ・マガロフのピアノ演奏にリンク致しております。 

序奏

Introduzione 1

Introduzine 2

Theme

Theme

Theme 2

Theme 3

Scherzo

Scherzo 1

Scherzo 2

Lento

Lent

Lent 2

Scherzo vivace

Scherzo vivace

終曲

コーダ

コーダ

コーダ

ショパン 「華麗な変奏曲 Op.12♫~二キタ・マガロフ

明日はショパンの「ファンタジー」について書きます。 この曲は高校生の時、♪関孝弘先生♪のもとでお勉強した曲です。 関先生は夏休みはご家族でイタリアへ帰省されるのでその間は関先生の先生の東京芸術大学名誉教授の♪米谷治郎先生♪に自由が丘のご自宅でレッスンをして頂いていておりました。 その時に見て頂いた事がある曲です。

ショパンの「ファンタジー♫は綺麗な有名な曲ですが、先にツイメルマンの演奏にリンクしておきます。(Part1とPart2に分かれております。)