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シューベルト「アルぺジョーネ・ソナタ」

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モーツァルトのクラビコードとピアノフォルテ

今日はシューベルトが1824年に作曲した「アルぺジョーネとピアノのためのソナタ イ短調 D.821」について書きます。 この作品は当時使用されていたアルぺジョーネという楽器のために書かれたシューベルトの現存する唯一の作品です。

アルぺジョーネについては追記で書きます。

シューベルトの死後1871年に出版された頃にはアルぺジョーネは使用されておらず、現在ではチェロやヴィオラで代用されて演奏される事が多いのですが、編曲の際アーティキュレーションが手直しされる事が多く、チェロにとっては高音域の演奏が非常に困難でチェロの難曲と言われております。

現在ではアルぺジョーネは復元されておりますが、奏者は少なくアルぺジョーネを用いての演奏はほとんど行われておりません。 そのような中で珍しいCDをご紹介致します。 ピアノフォルテパウル バドゥーラ=スコダ、アルぺジョーネはニコラ・デルタイユによるものですが、古楽器による音色に心癒されるCDです。

シューベルト アルぺージョ・ソナタCDご紹介♪~アルぺジョーネの楽器を使用して

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シューベルト 「アルぺジョーネ・ソナタ D.821」♫~ニコラ・デルタイユ(アルぺジョーネ)、Alain Roudier(ピアノフォルテ1828)(No.1)

シューベルト 「アルぺジョーネ・ソナタ D.821」♫~同上(No.2)

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シューベルト:アルぺジョーネ・ソナタロストロポーヴィチ(チェロ)、ブリテン(ピアノ)

シューベルト 「アルぺジョーネ・ソナタ D.821」♫~PERENYI(チェロ)、SCHIFF(ピアノ

この曲と同時期に作曲された作品に弦楽四重奏曲「死と乙女」がありますが、この頃シューベルトは重い病気を患っており、この曲も全体が暗い雰囲気に覆われております。 しかし綺麗な名曲ですので愛聴される方は多いようです。

***追記***

arpeggione(アルぺジョーネ)は1823年から1824年にかけてウイーンで発明された6弦の弦楽器です。 弓で演奏致しますが24のフレットも合わせ持っておりギターの特徴も持っております。 現在は楽器は復元はされておりますが奏者は大変少なく、チェロやビオラで代用される事が多いです。 しかしシューベルトの意図を完全に再現しようと試みると、やはりアルぺジョーネを使用するのが本来は一番ふさわしいのではないかと思います。 

明日は京都コンサートホールシベリウスの「ヴァイオリン・コンチェルト」やドヴォルザークの「新世界」を聴きにまいりますので帰宅後その感想をアップ致します。 指揮者は今人気上昇中の新進気鋭の若手指揮者でウイーン在住の垣内悠希さんです。 実は現在私が通っている大学院の非常勤講師で垣内悠希さんのお父様が授業を開講されており、私はお父様の授業を受けた事がございます。 そのご縁で今回ご案内を頂き初めて聴きに伺います。 大変楽しみにさせて頂いております。

↓垣内悠希さんプロフィール

http://amati-tokyo.com/artist/post-9.html