「ピアノ・ソナタ第9(8)番イ短調K.310」はモーツァルト(1756~1791)が作曲した全3楽章からなるピアノ・ソナタです。
モーツァルトが作曲したピアノ・ソナタの中では珍しく短調で書かれており、他に短調で書かれているピアノ・ソナタはK.457があるのみです。
残された自筆譜の上部右端に「1778/パリ」と記されている他はこのソナタの成立経緯は不明のままです。
1777年9月23日ザルツブルクを出たモーツァルトはミュンヘン、アウグスブルク、マンハイムを経て1778年3月23日にパリへ到着致します。 しかしパリで思うような仕事は見つけられずその上1778年7月に母を亡くしてしまいます。
悲劇的な曲調を持つこのピアノ・ソナタはこの頃に書かれた作品で、従来は母を亡くした悲しみが反映されていると言われておりますが、成立時期が母親の死後であるという確証はなく短調が自身の悲しみを反映させたものかどうかは定かではありません。 同様の短調のヴァイオリン・ソナタ第28番もこの頃の作品です。
第1楽章
緊張感のある悲劇的な主題で曲は始まります。
第2楽章
ゆったりとしたアルぺッジョで曲が始まり表情豊かに優しく愛らしい音楽が進行します。
第3楽章
急速なテンポの中では付点4分音符+8分音符の動機が楽章全体を支配していきます。
♫モーツアルト ピアノソナタ第9番♫~シフ
♫モーツアルト ピアノソナタ第9番♫~アラウ
♫モーツアルト ピアノソナタ第9番♫~ギレリス
♫モーツアルト ピアノソナタ第9番♫~ピリス