シューマン ダヴィッド同盟舞曲集 作品6/Schumann Die Davidsbundlertanze Op.6
「ダヴィッド同盟舞曲集」はシューマンが1837年に作曲し、後自費出版した18曲から成るピアノ曲集です。
「ダヴィッド同盟」というのはシューマンが考え出した架空の団体で、保守的な考えの人に対して新しい芸術を創作するために戦っていく人達の集まりの呼称です。 「謝肉祭」の中にも表れます。
当時、ロマン主義芸術家の間では芸術を理解しない保守的な俗物「ペリシテ人」に対抗する新しい芸術のための運動である同盟構想がよく行われておりました。
ダヴィッドとは旧約聖書に描かれているペリシテ人戦士ゴリアテを倒したダビデ王に由来しますが、同盟のメンバーはシューマン自身を表すフロレスタンやオイゼビウスやクララ・ヴィーク、フリードリヒ・ヴィークなどをモデルにした人物等で構成されております。 また実際の社会的活動として音楽評論雑誌を発刊したりもしておりました。
曲はシューマンとクララの将来の結婚式の前夜に集まった同盟員達の様子を描いており、フロレスタンとオイゼビウスという2人の人物が主役となっております。
フロレスタンはシューマンの中の明朗で積極的な「動」を表し、オイぜビウスは冷静で瞑想的な「静」の部分を表す人物として描かれております。
作品には初稿と第2稿があり初稿には曲の性格が動である時には「F]、静である時には「E」と書かれ、冒頭に格言も記述されていますが、第2稿ではこれらの記述は削除されております。
♫シューマン ダヴィッド同盟舞曲集♫~アラウ